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近大ではじまり近大で終わった?大学✕コロナの代表例として走り抜いた、近大広報の地力を考える。

2023年5月8日以降、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行することが正式決定しました。少し考えればわかることですが、新型コロナがある日、突然、世界から消えてなくなるということはあり得ないことなので、社会がどこかで線引して、アフターコロナをスタートさせなくてはいけません。今回の5類への移行は、まさにその境目なのだと思います。このアフターコロナへの一歩を感じさせる大学のリリースを見つけたので、今回はこちらについて取り上げようと思います。発信先は、近畿大学です。なんというか、それなりに感慨深いです。

大学の対応が変わると、若者、そして社会のふるまいが変わる

どのようなリリースなのかというと、5類移行に伴い授業や施設の運用を変更するというもの。もう少し詳しく説明すると、入構時の検温や消毒、陽性者数の公表、食堂のパーテーションなど、これまで行っていたコロナ対策を5類移行を機にやめるという内容です。いろいろと大学を訪れると入構時の検温や消毒が必須でなくなっているところもあり、徐々にアフターコロナに向けて大学が動いている感じはしていたのですが、これをリリースにして発表してしまうのが、なんとも近大らしいです。

近大だけではないのですが、大学の対応がアフターコロナに徐々に移行していくと、当然、学生たちのマインドやふるまいも変わっていくわけで、これは社会をアフターコロナに牽引する大きな力になるように思います。現状、マスクをつけるべきか否かが、ややどっちつかずですが、学生がマスクをつけなくなると、マスクなしに社会は傾いていくように思います。花粉が落ち着いたり、暑くなってくるのも、きっとその追い風になるはずです。

コロナ✕大学の代表例として最後まで駆け抜けた近畿大学

と、ここまで書いておきながらなんですが、今回もうすぐアフターコロナになるねーということを書きたくて、このnoteを書いたわけではないんです。伝えたかったのは、近大がアフターコロナを告げるリリースを出したというのが、個人的に妙に感慨深かったから。近大というと、入学式をオンライン化した「サイバー入学式」で話題になったり、「近大マスク」がメディアに取り上げられたり、「まぐろマスク」で話題になったりと、コロナにかかわる活動で注目を集めました。そのなかでも、とくに注目を集めたのは、大学業界でいち早く職域接種をはじめたという話題ではないでしょうか。これについては以前noteでも書かせてもらいました。

職域接種以降も、学外者にもワクチン提供をはじめたり、留学を再開したり、大学業界のなかで先んじて動いていったことから、近大はまるで大学のコロナ対策の代表例のようなかたちで多くのメディアに取り上げられました。そんなかたちで取り上げられてきた近大が、とうとうアフターコロナに向けて大きく舵を切り、ここでもまた他大学に先んじて(?)、リリースを出したわけです。

今回のリリース単体に対して、強く何かを思うということはないのですが、このリリースをもって、なんというか大学✕コロナは、近大ではじまり近大で終わったなあ……といった印象を持ちました。たとえとして不謹慎なのですが、競馬でいうと「逃げ馬」として近大が走り抜けたような、そんなイメージでしょうか。新型コロナがニュース等で取り上げられたのは2019年の年末なので、そこから3年半ちかくという超ロングランを逃げ切った。これってやっぱりすごいことだと思うんですね。 

もちろんこれは近大が、大学として新型コロナという未曾有の出来事に真摯に、そして素早く対応したからこそです。でもそうはいっても、しっかり対応しただけでは、事実としてはあっても、社会に印象づけることはできません。そこに広報が丁寧に並走し、ときには広報視点でエスコートやプロデュースしたことで、今回の結果につながったのだと思います。ここのこれがすごい!参考になる!みたいな指摘ができなくて申し訳ないのですが、でもそれは画期的な何かがあったからではなく地道にコツコツとやった結果だから、という見方もできます。

近大のコロナ関連の活動をあらためて振り返ると、広報のチカラや役目というものをわかりやすく感じ取ることができるように思います。そんなとてもシンプルなことを書きたくて、今回はだらだらと書いてしまいました。やっぱり広報って大事だし面白い仕事ですよね。ほんと、しみじみと思います。

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