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市民の大学を見る目が変わる?大学の市民向けサービスのオンライン化がもたらすものを考える。

大学の「オンライン化」というと、まず頭に浮かぶのがオンライン授業ではないでしょうか。でも、大学の取り組みをあれこれ見ていると、オンライン化しているのはそれだけじゃないんですよね。今回、見つけた取り組みも、そんな一つ。こういった取り組みがオンライン化されていくと、たくさんの市民が助かるし、ひょっとしたら大学と市民の関係性も少し変わっていくんじゃないかと思います。

はい、今回、見つけたのはこちら。甲南女子大学による子育て支援サービスのオンライ化です。子育て支援サービスは、保育・幼児教育系の学部学科のある大学にとっては、わりかしオーソドックスな市民向けサービスです。多くは子供が遊べるスペースを開放し、学生が子どもと遊んだり、教員が子育てに関わる悩みや相談にのったりします。目立つ取り組みではないものの、必要な人にとっては非常に有り難いサービスなので、オンラインで利用できるとなると喜ぶ人はたくさんいそうです。

このリリースを見て、ふと閃いた(?)のですが、大学には子育て支援以外にも市民に向けた、無料ないし格安のサービスがたくさんあります。コロナを機に、他のサービスもオンライン化しているのではないか。そう思い、ちょっと調べてみました。

子育て支援オンライン親子教室(京都光華女子大学) 

【学生法律相談オンライン法律相談(東京大学)

【心理相談室オンラインカウンセリング(早稲田大学)

【栄養相談栄養オンライン無料相談(大阪樟蔭女子大学)

ざっと見ただけではありますが、けっこうオンライン化されているようです。これまでのこういった取り組みは、近隣エリアの人たちが使える、知る人ぞ知るサービスでした。でもそれらがオンライン化されたことで、エリアにしばられず利用できる状況が生まれつつあります。これって、けっこう大きな変化なように思うのです。

たとえば、学生法律相談であれば、法学系の学生が教員や卒業生にバックアップしてもらいながら、無料で法律相談に応じてくれるサービスです。このサービスがオンライン化したことで、関西在住の私が自宅にいながら東大の学生法律相談を利用することができるわけです。もちろん無料で、です。

これまでであれば、近隣の大学で何かしらのサービスがあった場合に限り、私たち市民はそれを使うか使わないかの選択のみできました。オンライン化したことによって、これが一変し、全国の大学が提供するこれらサービスを比較検討し、最も良さそうなものを選ぶ、ということができるようになったのです。ビジネスではなく地域貢献(と教育)としてやっていることなので、どこまで競争原理が働くかはわかりません。でも、これまで比較検討されるということがほぼなかったところから、環境が大きく変わりつつあるのは間違いありません。

また、これによってサービス内容が洗練される(かもしれない)だけでなく、情報発信についても、ターゲットが近隣から全国に変わることで、より積極的になっていく可能性があります。そうなっていくと、今までよりも多くの人が大学の市民向けサービスを認知するようになるだろうし、利用者も増えていく可能性があります。これらサービスはあまり知られていないものの、生活と直結するものなので、便利さがわかれば利用者は一気に増える可能性があります。そういう意味では、大学と市民との関わり方を変えるきっかけになるかもしれません。

個人的な願望もあって、だいぶ都合のいい未来予想を語ってみました。とはいえ、大学の市民向けサービスがオンライン化してきているというのは紛れもない事実。これまでになかったことなので、面白い発展が起きることを、ぜひ期待したいです。

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