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年末年始だし考えてみた。伝える、よりも大事な大学広報の役割と視点。

あけましておめでとうございます。年末年始に仕事内容を整理していて、自分のなかでの大学広報に対する考え方が、ここ数年で大きく変わってきたなと、あらためて感じました。また数年たてば戻ったり、違う考えになったりしているかもしれないのですが、記録の意味も兼ねて、現段階での大学広報に対する考えをまとめてみようと思います。

伝えるだけではない、広報の仕事

もともと私は、広告関連のライティングや編集の仕事に携わっていて、そのなかで大学関連の仕事の比率が徐々に増え、またこの業界に魅力を感じるようになり、大学の広報支援をメイン業務にするようになりました。広告の制作であれば、クライアントが伝えたい情報を、いかに魅力的に、またわかりやすく伝えるために、どうすればいいかということに頭を使います。大学の入試広報の広告制作もこれと同じで、いかにして受験生に大学を魅力的に伝えるかがお題でした。

しかし、ここ最近、わたしが携わっている仕事には、大学のインナーブランディング支援であったり、オウンドメディアの立ち上げや運営サポートといったものが増えています。これら業務には、浸透させたいイメージであったり、促したい行動というものはあるにあるけれど、具体的にこの情報を伝えたい、というものは明確に決まっていないんですね。何を伝えるべきか、から一緒に考えていくことになります。それでもって、伝えたい情報が確定していないなかで伝えるので、本当に伝えるべき情報がこれでよかったのか、についても一緒に考えていくことになります。伝えるべき情報を考え、伝えて、それが本当に良かったのかを検証し、その結果を次の情報発信に役立てていく……。広報担当者にしてみたら、あたりまえの作業なようにも思います。でも、これら作業を併走してサポートしていくなかで、広報って情報を発信する仕事なのではなくて、情報を循環させていくことでターゲットと大学との関係性を育てていく仕事なんだという気持ちを強く持つようになりました。

以前の広報

最近の広報

制作物の納品は、登山でいうと五合目らへん

情報発信が一方通行でなく循環であるなら、こちらから情報を伝えることと同じかそれ以上にターゲットの言葉に耳を傾けることが大事になります。これは単純に、ターゲットにアンケートやヒアリングを行い、感想を聞くだけでなく、サイトのPVや滞在時間、SNSのいいね数など、言葉ではない言葉も含みます。

情報発信するときに、この取り組みからどんな言葉が聞けるのかを、あらかじめ予想しておき、聞くための仕組みや仕掛けをちゃんと用意しておく。言いつつ聞く準備をしておく、返事をしてもらいやすい言い方をする、というのがとっても大事。そういう意味では、ポスターであれ、ウェブの記事であれ、パンフレットであれ、納品したら終わりではなく、これは循環の起点ないし、促進させるきっかけをつくったに過ぎないんですよね。これをいかにして、良き循環を生み出す推進力に変えていくかが、本来の目的なのだと思います。納品は登山でいうと5合目程度で、山頂に辿りつき、そこから見わたして次に登るべき山を見つける、というところまでが一連の作業だし、ここまでやったとしても、もう少しマクロな視点に立てば、大きなサイクルのなかのごくごく一部の作業だといえます。

他にもいくつか書きたいことがあるのですが、正月早々に長文を書くのも野暮というか、正月ボケした頭にはしんどいので、この記事はいったんここまで。また、近々どこかで続きを書きたいと思います。それでは今年もどうぞよろしくお願いいたします!

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