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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり…
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2022年8月の記事一覧

常備菜を常備できない

丁寧な暮らしには常備菜はかかせない。らしい。 肉を焼くだけ、スーパーのお惣菜を並べるだけではいけないのだ。ちょこんとキャロットラぺや手作りチャーシューを添えてやろう。と常備菜を勧める料理本は声高に叫ぶ。 実際、日々の食事の中で「もう一品あればなぁ」と思うことは多々ある。そんなときにも、常備菜は便利らしい。なにせ皿に盛るだけでいいのだから。 ただそんな常備菜を常備できない自分がいる。常備すると言っているのに、2日もすればなくなっている気がするのだ。気がするというより、もはや

パンダが思ったよりも茶色いと感じた貴方に

私はパンダを見るたびに感じる。 思ったよりも茶色い。 初めてそう思ったのは幼稚園時代にさかのぼるのだが、大学生の時に和歌山で見たパンダも想像よりも遥かに茶色かった。 茶色いから可愛くないというわけではないが、なぜか興ざめしてしまった自分もいる。どうやら私は、パンダに純白を期待していたたらしい。 とあの人は私に言う。一緒に何時間も話し込んだり、どこかへ出かけたわけでもないのに。 私に関してどのように情報を収集していたのかは不明だが、どうやら私があの人の期待を裏切ったことは

アレクサ、来月の生活費稼いで

AIがとっても素敵なデザインを考えつく そんなニュースを目にした。はえー、すごいねぇと呑気に眺めていたのだが、「人間いらなくね?」と邪念が頭をよぎる。 今のAIは、そんじょそこらの人間よりも精緻でユーモラスな絵を書くらしい。少なくとも美術の実技の成績が10段階で3だった筆者など、AIの足元にも及ばないだろう。 AIが世間に取り沙汰されるようになったとき、私達は「面倒な雑務から解放される」なんて期待した。それは例えば、ロボットが床をピカピカにしてくれたり、複雑な会計処理を

宮沢賢治のおかげで、私は人生を苦しめる

「苦しまなければならないものは苦しんで生きて行きませう」 宮沢賢治との出会いかの有名な作家、宮沢賢治は彼自身が27歳の時、自分が10年後に死ぬなんてことを予想したのだろうか。と、27歳の私は思う。 宮沢との最初の出会いは小学校の国語の教科書に載っていた『注文の多い料理店』。ただ幼い私にとって、彼は教科書の中のおじさんでしかなかった。 最期に遺した手紙時は進んで大学1年生になった私は、久しぶりに宮沢と再会を果たす。それは彼の詩でもなく、童話や小説でもなく、彼の記した手紙で

「オールシーズン対応」の私とナスのトマト煮

今年だけは、最初で最後の夏が鍋の中にいる。そう思えた。 ーーー 今年は暑い。昼も夜も暑い。 夏が来たなんていうことよりも、暑いを先に感じてしまって、今が夏であることを忘れそうなほどである。 そういえば、最後に夏を感じたのはゴールデンウイークの頃だったかもしれない。いやきっとそうだ、何せまだウチの畑に、春野菜の生き残りであるカブやダイコンが鎮座していたのだから。 なんて口にした春の終わり。このとき、夏を忘れるくらいの猛暑がやってくるなんて、誰が予想しただろうか? カブ

070-8409-5969←私の番号に電話がかかってきました

少し前になりますが、 こんな記事を投稿しました。ざっくりいうと、「しんどくなったら、電話してきてね」という取り組みです。 これはもともと坂口さんという方が行っている活動で、私も以下の一冊を読んで始めてみることにしました。 そして、先日ついに一本、お電話を頂戴しました。どうやらお仕事や人間関係に疲れ果てているといったところだそうで。 内容は個人情報なので省きますが、1時間ほどお電話でお話させていただきまして、シンプルに思ったことがあります。 「むっちゃ、嬉しい」 実