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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり…
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2021年11月の記事一覧

ナナメの昼過ぎ

#読書の秋2021 #ナナメの夕暮れ 『ナナメの夕暮れ』の読了後、カラオケルームの会計を済ませることにした。 私と異なる一冊オードリー・若林正恭さんの『ナナメの夕暮れ』をようやく読んだ。 もちろんとても今日深い内容であったのだけれど、他方で、 と思ったのも事実である。これまで彼のエッセイはすべて手に取ってきたのだが、「そうそう、これが言いたかった」ということが極めて多く、実際私の本棚の最前列に陳列してもいる。ただ『ナナメの夕暮れ』は「ちょっと自分とは違うかも」といった

「戦時中もトイレしてたんだよな」

当時の戦争やその戦禍が圧倒的な過去となっていた トイレに関する追憶「戦争中もトイレしてたんだろうな」 なんて思った自分がいた。 これは筆者が大学院生時代、広島平和記念公園にて、現地のガイドと観光客による会話を録音していた場面の追想である。 「中島地区」と生活広島平和記念公園・平和記念資料館は広島県広島市の「(旧)中島地区」にある。公園は公園である以上、そこに今住民はいない。しかし、この地区には、原爆投下前までは多くの商店が軒を連ね、また約4400人もの人々が生活をして

一眼レフをもう一度 〜モンテネグロ・コトルを旅したあの日から〜

「なんでこの絶景をファインダー越しで見てるんやろ」 港町・コトル20歳が終わろうという頃、私はモンテネグロにいた。 トルコ留学中に大学の長期休みを利用して旧ユーゴ圏に旅に出たのである。 モンテネグロの海沿いの港町・コトル。もし私がオススメの旅行先を選ぶとしたら、この町を選ぶと思う。 城壁に囲まれた旧市街は、日本からやってきた私にとっては絵本の世界ともいえる場所だった。見るものすべてがファンタジックなこの町では、やはりシャッターを切るのを止められない。 バックパックを背負

フリッタータと言えなくて

「洋風卵焼きみたいなもんですね」 ホットケーキとパンケーキ「要は、ホットケーキやろ」 大学生のころ、パンケーキが大流行した。当時、私はこの言葉を何度口にしたか思い出せない。そのくらいパンケーキを愛したていた友人に、このキツイ言葉を浴びせていた。 「連れてってあげるから食べてみ。食べたら違いが分かるから」 当時初めてパンケーキを口にしたとき、私はそれをホットケーキと表現したことを恥じたくなった。具体的に何が違うのかは分からないとはいえ、家庭のホットプレートで焼かれたホッ

ここ掘れイノシシ、奇跡のスマホ

この夏、私はスマホを失くした。しかも、畑で。 遡ること、4ヶ月。 畑作業と友はいつも私にラジオや音楽を届けてくれた。そんな友を私は畑で失くした。それから一週間、毎日畑を探してみたが、全く見つからない。ついには諦めて新しい友を迎えることとした。彼は畑で殉職したのである。 さて季節変わって秋も深まる11月。冬を迎えるせいかイノシシの活動も活発になってきた。そんなイノシシのたちの被害に悩む私は、今日も畑の見回りに。 当たり前のように足跡が付いているのをみると、胸の奥に冷や汗が

久しぶりに野菜を買うと、新しい味がした

自分が育ている作物は購入しない。 また旬ではない作物も買わない。だから、冬にナスやトマトを食べない。 そんな生活が早一年半になった。そのため、昨冬は畑のカブ、水菜、小松菜ばかりを食べていたら春が来ていた。 今年はそうも行かないらしく、当面は野菜を買うほかなさそうだ。だって獣害が出たから。 さて、そろそろ収穫するはずだった野菜を買ってみると、買った野菜、そしてその生産者に対して凄くありがたみを持つようになっている自分がいる。なぜなら、一応は私もその苦労を知っているから。