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ある日の出張にて

この街に来たのは何年振りだろうか。

あらかじめ新規開発ホテルやリブランドしたホテルはリストアップしておき、スムーズに回れるように頭の中に地図を描いておく。初めての街だとそうはいかないけど、主要な都市はほとんど訪問済なので、頭の中の地図をアップデートすればよい。

ホテルのチェックイン時間までは、ホテル関係者を訪ねてマーケットについてヒアリングをおこなうか、荷物を駅のコインロッカーにでも預けてリストアップしたホテルを回るかのどちらか。

前者の場合は、オペレーターの本部経由でアポを入れた先のホテルに行って、マネージャーからマーケットの動向についてお話を伺う。もちろん、先方もただ自分のところの話をするだけだとつまらないので、こちらからは他のエリアの話や業界のトレンドなんかを話せると最後にまた来てくださいって言ってもらえる。

対象ホテルに泊まる時もあれば、競合ホテルに泊まる時もあるし、新規開業ホテルなど話題のホテルに泊まる時もある。Case by Caseだ。チェックインする時間はなるべくそのホテルが混む時間。つまり、ビジホであれば18時頃にするし、レジャー客主体のホテルであればチェックインが始まる時間(15時が多い)。Hotel by Hotelだ。何のためか?客層のチェックとオペレーションのチェックだ。混んでいる中でスタッフがゲストをどう捌くかを見ていると、分かることもある。

部屋に入ったら一通り写真を撮っておくのだが、シャンプーなどはちゃんと裏側の細かい情報が書かれている部分まで写真に撮っておきたいし、家電はメーカー名やできれば品番も記録しておくと後で便利だ。客室清掃の方には悪いが、いきなりシーツを引っぺがして、マットレスをチェックすることも多い。寝た後で翌朝チェックしようと思っても忘れてしまうのだ。

夕食はフルサービスホテルに泊まるのであれば館内のレストランで食べる手もあるが、客の入りを見るぐらいでいいと思う。夕食を食べる店は事前に調べておきたい。出張は平日なので、意外に定休日に当たることもあれば、よさそうな店ほど満員で入れず、夕食難民になるリスクは高いので、ヘッジできるリスクはヘッジすべきだ。1軒目は外でいいが、2軒目はご当地キャバクラに行きたい気持ちを抑えてフルサービスホテルのバーには行っておきたい。一人でカウンターに行けば、バーテンダーは大抵色々と話をしてくれるので大事な情報源となる。

夕食からホテルに戻ってくるときには駐車場はチェックしておきたい。埋まっている車のレンタカー比率と、レンタカーではない車はどこから来た車か。

なるべく客室内にあるものは使ってみるべきだし、ホテル内にある施設も実際に行ってみて使えるものは積極的に使ってみるべきだろう。ホテル内の共用施設は時間制限があるので、こちらを優先的に使い、客室内を堪能するのはその後でいい。この時にメジャーを持ってきていると、室内をウロウロしたり、何かする時に気になる場所の長さを測ることができて便利なので、簡素なメジャーで十分なので常備しておきたい。レーザータイプは天井の高さや壁から壁までの長さが分かるので便利ではあるのだが、電池がすぐ切れると単なる重いメジャーになり下がり、実際によく電池が切れる。

朝食はそのホテルの朝食を食べた後で、それが対象ホテルであれば競合ホテルにはしごするし、興味本位で新規開業ホテルにも行ってみることがある。コロナ禍だと宿泊者限定と断られることが多いのがよろしくなかったが、そろそろそんなこともないだろう。ブッフェの場合、種類ごとに何品あるかを数えておく癖をつけるようにすると、一般的なブッフェとはこういうものであるという自分の中でのスタンダードが出来上がる。一度それが出来てしまえば、それに対して品数が少ないのか、多いのか、一々数えなくても何となくの感覚で分かるようになるので、最初は地道な作業だけど、種類ごとに数えてメモっておきたい。

日中は前日の続きで、エリアのホテル関係者から話が聞ければなるべく多く聞いた方がいいし、時間の限り、ホテルや観光スポットを巡るべきだ。何かメインとなる用事があって出張に来ているのでそれはちゃんとこなすわけだけど、それ以外の時間をどう過ごすか。

こういうことを年間30~40回ほどやっているけど、まだ今のところ飽きてはいない。

#天職だと感じた瞬間

サポート→ホテルで使う→note→サポートというサイクルが回ると素敵ですね。