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Episode 418 区切るパワーが必要です。

ASDの私がパートナーと上手くいかないと感じている部分は、パートナーが嬉しいとか悲しいとかの感情を私と共有できないことで起こることが多くてですね、同じことをまめ(@mo_zahrada)さんも感じていたようです。

というツイートから繋がる、まめさんと私のやり取りのツリーなのですが…。

このツイートのポイントは「あなたはそうなんだね」という部分で、あなたと私は考えが違う別の個人だとキチンと切り分けることなのです。
でも、ASDの私にはそれが難しいのです。
なぜならば、そこの切り分けには不安に打ち勝つだけの大きなパワーが必要だからなのです。

ASDの私があなたを分かろうと努力する中で、あなたの考えを私の頭の中で予測してしまう現象を『千と千尋の神隠し』に登場する「カオナシ」が番台ガエルを飲み込んで暴走する姿に例えて「カオナシ現象」と呼んでお話ししたことがあります
「あなたはそうなんだね」…と、あなたと私は考えが違う別の個人だとキチンと切り分けることとは、つまりカオナシである私が、番台ガエルを飲み込むのをやめ、千がほしがっている「だろう」薬湯の札や金を出すことを我慢する…ということを意味します。
これは「きっとこれが欲しいハズ」だという、あなたが欲しがっているものを探す…という答え合わせをすることで安心感を得ようとする私が、不安を抱えた状態で我慢するということに他なりません。

物語の中で、千は本当は喉から手が出るくらい薬湯の札が欲しかったのかもしれません。
でも、それは「与えられるもの」ではなくて、自分で手に入れたものでなければならなかったのでしょう。
だから、カオナシから札をもらっても全然うれしくない…それなら一緒に汗かきながら「大湯番」をしてくれた方が嬉しい。
千が欲しかったのは、今の自分に寄り添ってくれる気持ち…。
その為にはあなたと私が違う個人だと分かって、私と違うことを考えてあなたが汗を流していることを、私が認めないといけないのです。
でもね…ASDの私には、あなたが私と違うことを考えているという事が、ものすごく不安なのです。

あなたは私のパートナーで、かけがえのない存在です。
だからこそ、あなたと一緒に楽しく生活したい。
ところがですよ、あなたが私と違うことを考えている別個人だという感覚に乏しいASDの私は、お互いの意見の相違をキチンと切り分けることが出来ず、自分の不安感に煽られて、意見を被せたり無理やり答えを見つけようとしてオロオロし始めるワケです。

私は自分自身がカオナシである…と、自覚するに至っています。
でも、カオナシである私が、薬湯の札を握りしめたままガマンできているのか…と問えば、まだまだ出来ている自信がありません。

今、私が欲しいのは「あなたと私が違う人」であることを、不安感を含めて認めるパワーです。
冒頭のツイートは、そのことが多くのASDに共通の課題なのかもしれないと教えてくれている…私はそんなことを思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2020/3/25

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