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Episode 404 欲しい科目は「演劇」です。

2019年の本屋大賞・ノンフィクション本大賞を受賞したブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、イギリスのとある都市で公立中学校に通う息子とかあちゃんの日常を描くノンフィクション作品で、イギリスの「今」の中で母子ともに成長していく読み応えのある素晴らしい作品です。

その中に、イギリスの中等教育には「ドラマ(演劇)」と呼ばれる必修科目がある…という件があります。
「コミュニケーション&ランゲージ」は人間を構成する重要な要素として、幼児期から喜怒哀楽を読み取り表現することを教育として求めるのだそうです。
欧米人のボディ・ランゲージを含めたコミュニケーション能力の高さは、潜在的な能力もあるのでしょうが、表現するための下地をキチンと用意した上での話だった…と、私はこの本を読んで知りました。

私は小さなころからひとりでいることが多かったということは以前から何度もこのブログで書いていて、その原因の根本に「過敏/鈍麻」があるのだろうと確信していることも何度となくブログに登場しています。
苦手な「聞く」と「触られる」を避けるために人の輪から離れて距離を置く…結果的に幼いころに壌われるべきコミュニケーションの基本を十分に学習できなかったのだろうと私は思います。

然るに、人の表情を読み取る能力が…相当弱い。

この件は、私があなたと相対した時に話しかけるタイミングが分からないとか、どんな言葉を掛けたら良いか分からないとか…という具体的な困りごとに直結します。

私が自ら話しかけることは殆どありません。
話しかけられたことに対しての返答は…それなりの問題を抱えながらも出来なくはない…でも、話しかけるというのは難易度の高い作業です。
そこで編み出した方法が私が「ちょっかい」と呼ぶ反応を見る方法。

なんかね、本を読んでいて思ったのです。
学校教育で「道徳」とかを強化して教えるくらいなら「演劇」の方が良くないか?
日本が発達障害大国なんて言われているのが透けて見える…だって、教えないのですから覚えられないですよね。

私のようなコミュニケーションの取り方が難しい人でも、置かれる環境でかなり違ったのではないか…この本を読んで、そんなことを思うのです。


旧ブログ アーカイブ 2020/2/6

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