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Episode 615 言葉の二次元性を知るのです。

私の仕事はフォークリフトのオペレーターで、日々-25℃設定の冷凍倉庫の中で荷扱作業をしているのです。
扱う荷物は指定された「パレット」と呼ばれる板の上に置かれるのですが、基本的に「1パレ」と呼ばれる一回に扱えるパレット上の荷物の形態は、縦横高さが各100㎝程度の巨大なサイコロだと思っていただければ良いかな…と、思います。
カチンコチンに凍った巨大サイコロの重量は約1t…それはそうです、1m四方×高さの立方体で比重1.0なら、そうなる計算ですからね。
必ずしも比重1.0になるワケではありませんが、約1tのサイコロを、あっちゃこっちゃ動かすのが私の仕事です。

こうやって奥行きのある立体を扱う仕事をしていて日々思うことは、私が扱う言葉の平面性みたいなもの。
言葉のやり取りの二次元性…と言うか、その言葉を介した理解の薄っぺらさ、でしょうかね。
私の発した言葉の「奥行きの無さ」は、言葉が苦手であるが故にいつも感じていたことなのかもしれません。

前からお話している通り、私は自分の気持ちを言葉に乗せてお話するのが得意ではなくて、できることならば頭の中にあるイメージ画像を、そのままあなたの脳内に送り込みたいと感じているのですよ。
そのくらい私は自分の言葉に伝え切れない「無力感」を感じているのですが、もしかしたら、それは言葉の特性そのものが平面的だからではないか…などと感じたのです。
いや…プロの作家さんとか、上手に言葉から立体をイメージさせる能力に長けている方もいらっしゃるのでしょうが、それはプロのスキルであって、一般的ではないのかも…ということです。
人間の認識って、意外と平面的なのかもしれない…という仮説を考えて、だから逆説的に立体をとのようにイメージするのかで、イロイロと説明できるのかもしれない…と、思ったのです。

このツイートには、私の思う「自閉性」というものが、人の思う言語的理解で上手く表現できないかもしれない…という気持ちが含まれているのです。

画像は、先程のツイートの手書き概念図メモです。
z軸方向への「立体感」がASDの雰囲気を出す自閉性に繋がるもイメージなのですが、人の「外から見える理解」というのは、意外と赤ペンで格子にした平面で見られているのではないか…と思ったのです。
言語的理解のz軸方向への弱さ…でしょうかね。

先程のツイートは以下のように続きます。

知的障害を伴う従来型のカナータイプは、x方向に弱いからy方向も伸びず、自分への正直さと言うz方向が突出することが多いと思うのね。
一方で知的障害を伴わないアスペルガータイプは、x方向に強いからy方向にも理解が進み、一方でz方向への強さが人それぞれなのかな…と。

問題は、z軸方向への認識が、x軸・y軸方向の二次元座標での正方位への伸びが不調になってから初めて識別される可能性ね。
自閉を伴わない知的障害とカナータイプの識別、定型とアスペルガータイプの識別と言う「二極化」がされやすい理由は、この辺りにあるのではないかと思うのよ。

標準一般であれば「x軸・知的理解度」と「y軸・社会標準への適応」のとバランスで「z軸・自分の興味への正直さ」に対して一定の相関関係が発生すると思うんだよね。
そのz軸を正方位に引っ張る力をコントロールするのが社会的倫理観などと言う負方位へのベクトルなのかな…と。

z軸方向の認識が遅れるのは、x軸とy軸方向での相関関係でz軸方向のコントロールはなされると言う暗黙の了解があるからのような気がするワケね。
知的に問題がなくても、小さな子どもの衝動性が高いのは、年齢的にx軸とy軸方向への成熟が弱いからz軸方向に突き抜けやすいと説明出来るよね。

本来は、x軸方向とy軸方向への成熟度とz軸方向への突き抜け方を分けて考える必要があるのだけど、x軸y軸の平面座標で事足りることが多いから、予想外のz軸座標の位置を想定できない…なのかな、とか。

z軸の伸び方が見える位置で座標を確認することが自閉度の理解に大事なのだろう…などと思うのです。

私がこのブログシリーズなどでお話していることは、全てにおいて「言葉による解説」ですからね、その言葉が持つ「平面的特徴」を立体的イメージに起こせるかは、聞く側・読む側の理解力の高さに大きく左右されることになろうかと思うのです。
私の言葉を介した「伝わらない感」の理由は、そもそもの言語性コニュミケーションが持つ平面性特質にも由来することなのかもしれない…などと思ったのです。

元々視覚優位で空間認知力に長けている上、日々の仕事から立体位置への認識が強い分、上手く立体感を伝えにくい「言葉の平面性特性」への違和感を、私は感じやすかったのかもしれません。

ただ…このASDの立体的概念化という実験的なツイートが、「自閉とは何ぞや?」を問う対談に発展するとは思っていなかったのです。
その対談については、また次回…。

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