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Episode 549 それは「カンタン」ではないのです。

今回も先日、私が呟いたツイートから。

以前から私は「逐次読み」というディスレクシアの傾向があるとお話ししていたのですが、それが「識字障害」と診断されるほどの症状か…と言えば、それはNoなのです。

「逐次読み」で検索すれば、ネットでその情報について相当数のヒットがあるのですが、私も過去の記事でその「自分の事例」を紹介させていただきました。

その「逐次読み」というディスレクシアの傾向が「改善」したのは、「漢字かな交じり」という日本語独特の表記があったからだ…と、私は思っているのです。
今回は、「ディスレクシアには種類があるぞ!」って私の体感の話です。
但し、これはあくまでの私の体感であって、医学的に証明されているワケでも一般論でもない…ということを、まず書き記しておきます。

ディスレクシアは、欧米諸国で多く報告される学習障害の一種…というのが私の認識です。
では、なぜ「欧米諸国で多く報告される」のか?
それはきっと、文字の構造に原因があると思うのです。

簡単な例で言えば、英語を構成するアルファベットは、たった24字しかないのですよ。
これは基本的に「音」を表す記号で、これを組み合わせることで単語が出来上がる…この点に関して疑問を持つ人はいないでしょう。

この音の組み合わせによってできた単語を「意味のあるカタマリ」と見ることができるか…という点に不安があるのが、私のツイートで言う「欧米型ディスレクシア」です。
日本語で言う「かな文字」表記がこれに当たる…というのが私の意見。
私はこのカンタンとされる「ひらがな表記」が大の苦手なのです。

ところが、この「ひらがな表記」が日常生活でメインに使われることは殆どなくて、小学校の最初の時期を通り過ぎると学習する「漢字」が増え、次第に漢字かな交じりの表記が普通になっていくのです。
最終的に日本語は、約2,100字ほどの常用漢字とかな文字の両方を日常的に使う文字とするワケで、音の組み合わせによってできた単語を「意味のあるカタマリ」と見るかな表記より、意味のある形が中心の漢字表記が表現の中心に置かれるようになってくる…ということです。
こうなると、私の読みに対しての難しさは半減します。

例えば「さくら」と「桜」。
同じものを指す「かな表記」と「漢字表記」があった時、「さ・く・ら」と3マスのブロックを使う「かな表記」と、1マスのブロックの中に「木・ツ・女」を閉じ込める「漢字表記」の差があって、「漢字表記」のブロックの使い方は理解できるけど「ひらがな表記」のブロックの使い方の理解が苦手…ということなのです。
つまり、「1ブロックにひとつの意味」は理解できるけど、「3ブロック使ってひとつの意味」の理解が苦手…ということです。

アルファベット表記の欧米諸国は、言葉によってアルファベットの種類に多少のバリエーションがある…でも、漢字のような文字は存在しません。
つまり、全てが「かな表記」に近い文字構造だということです。

日本語のディスレクシアで多く報告されるのは、漢字の偏(ヘン)や旁(つくり)の組み合わせが理解できないことで識字障害が出るケースだと感じるのです。
逆に、私のようなタイプは「漢字表記」が入ることで、ひらがな表記の苦手さをスキップしてしまった可能性が高いのではないか…と思うのです。
「欧米型ディスレクシア」は、日本語のような「別の記述方法」が存在しないことで、文字の理解について「壁」にぶち当たり易いのですはないか…ということです。

「ひらがな」の上に、より難しい「漢字」が存在する…ではないと思うのです。
私は今でも「ひらがな」が苦手ですが、漢字が入ることで障害とされるほど文字で苦労していません。
これが「ひらがな」が苦手な状態で、ひらがな表記がスラスラ読めるまで漢字学習に入れなかったとしたら…。

「カンタン」というのは誰が決めたのでしょうかね。
あなたや社会一般で言う「カンタン」の定義があてはまらない人が存在する…私は私の「ディスレクシア」の傾向を振り返り、そんなことを思うのです。

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