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Episode 194 地下鉄乗換えで迷子です。

日常生活を送る上で、ASD的な「無知」は、時としてかなり恥ずかしい結果を招くことがあります。

例えば…友人の少ない私は結婚披露宴に招待されたことが、あまりありません。
両親の家族は大家族で、父も母もその中で年下の方だったので、私の従弟はもう定年退職して暫くたつような方がいっぱい。
20歳も年上のいとこが結婚する時の私はまだ幼稚園児ぐらいの話でして、披露宴なんて呼ばれないのです。
大体にして叔父さん伯母さんの類を呼ぶだけで相当数、いとこまで呼んでいたら恐ろしい数になってしまいます。
親類縁者の披露宴に呼ばれないとなれば、友人の少ない私が披露宴に呼ばれる場面はもう限られてくる…。
「結婚式貧乏」なんて無縁なのはありがたい限りですが、全く声が掛からないのも結構寂しいものです。

そんな私に声をかけてくれた友人がいます。
私自身の結婚式よりも前に披露宴に出たのはそれ一度きりで、その後も片手で数えられる程度…。
兎にも角にも「めでたい席」に呼ばれた私は、披露宴の進行ルールも良く分からないまま会場に向かうのです。
ま、なんだかよく分からない感じでちょこちょことはみ出しながら、冷や汗ものの披露宴を終わらせて「ぐったりモード」で帰宅…。

こんな感じでお通夜やお葬式なんかも「一般常識」の蓄積がないまま、周りを見回して見よう見真似で知ってるふりをしながら、何とかかんとかその場を凌いでこの齢です。
それもこれも、水玉模様のなせる業なんだろうな…そんなことを思うのです。

その一方で、深堀りし過ぎたモグラの穴の方ですが…。

東京の地下鉄路線図を見ていると、目がチカチカしてきます。
ムチャクチャですよねぇ…。
縦横無尽といえば聞こえは良いですが、普段使うことがない地方都市在住者からすれば、それこそ意味不明なレベルです。
これにJR・私鉄の各路線が組み合わさって相互直通運転とか…。
東武東上線に乗っていたら東急東横線まで乗り入れて横浜へ直通…はぁ?どういうこと?

私はASDの深堀知識って、こんな東京の地下鉄路線図みたいなものだと思うんですよね。
地下の見えないところに「乗換駅」があって、全く違う分野の知識と繋がっているみたいな感じ。
トランスミッションの話だって、ギヤ比という乗換駅でクルマと自転車が繋がるワケですよ
この話は流れが見えているからそれほど驚かないですけど、乗換駅が地下に潜っているのでどこをどのように乗り換えたらその話に繋がるのか…と思うような「会話の飛躍」がASDの人の会話には起こったりすることがあるのです。

さっきの話で…
①クルマの燃費走行の話題⇒
②ギヤ比で効率よく走るには⇒
③それは自転車も同じこと⇒
④自転車の性能も重要だけど、自転車が走りやすい道路網の整備も重要⇒
⑤環境もそうだけど、自転車の交通ルールの定着は大きな課題だよね。
…という思考の流れがあったとして、②から④までが地下に潜った思考回路で乗り換えられたら、会話としては「どこからその話が出てきた?」っと感じになるでしょうね。
しかも、深堀してガッチリと認識している知識ゆえに、飛び出た話題が異常に高度だったりするのです。

地下鉄の駅で降りて地上に出て「いったいここはどこだろう…」というのは、皆が必ず一度は経験することだと思います。
私が話をしていて、自分の思考の中に潜ってしまったあとに地上に出て突拍子もないコトを言っていたら、私の頭の中で、きっと「こんなこと」が起こっているのでしょう。

そして私自身も周囲の反応を見て「あれ?」と気が付くのです。
なんかまた変なところで乗り換えたみたい…って。

旧ブログ アーカイブ 2019/3/27

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