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第31回イベントレポート『植樹祭り』

2021年12月25日、クリスマス。

落葉広葉樹の苗木の植樹祭りをおこないました。

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未来を担う小学生が鍬入れ

10月から進めてきた植栽の準備(マウンドづくり)が完了し、やっと今回、苗木20本を植樹するはこびとなりました。

〝植樹する〟とは、どういう行為なんだろう

初参加の方お二人の入会を歓迎し、総勢10人で森に入りました。
今日のイベントを祝福してくれるかのように、恩方の森は快晴です。

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植樹祭りを祝福してくれるかのような青空

〝植樹祭〟というのは、調べたら天皇陛下がおやりになるそうです。畏れ多いので、ホタルを飛ばす会では〝植樹祭り〟と題することにしました。

そもそも、人が山に〝植樹する〟とは、いったいどういう行為なんだろうか……?

古くは、縄文時代の遺跡から、クリやクルミが栽培されていたことが分かってるらしいし、最古の文献ではスサノオノミコトが50種以上もの樹を植えるよう人間に教えたと書かれています。

何をどこに植えようか考え始めたら、人と自然はどう共存していくのが良いのか。いや、人も自然の一部なのだから、こんなこと考えること自体が不自然なのではないのか……などなど。

私の弱い頭の中で思考が堂々巡りを始めますが、とにかくホタルを飛ばす会らしい『楽しい植樹祭り』にすることに致しました!

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総勢10人で森に入る

森と海は、つながっている

植樹祭りのテーマは、『森と海は、つながってる』としました。
まずは、海の幸を食べながら森に感謝をします。

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ホタルを飛ばす会でホタルイカ♪

写真のホタルイカは、今年、海の方へ移住した会員のAさんが、はるばる東京まで運んで来てくれたものです。味付けにオリジナル魚醤を使っていて、キモも臭みなく丸ごと食べらる!

一つつまむと止まらなくなる一品です。

販売元はこちら。


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森と海はつながっている。海の幸を食べながら森に感謝
「この山の葉っぱが海の栄養になんのっさ。山と海はつながっている。まるっきり関係ねえように見えるもんが何かの役に立ってることは、世の中にはたくさんある……」
おかえりモネ

〝おかえりモネ〟のお爺ちゃんの言葉を思い出しながら、焚き火で炙って美味しく頂きました。

山と海を繋ぎ、循環させているのは水と土と空気です。
そして、水の流れが見えている地表の沢や川は氷山の一角のようなもので、山から海まで地下の水脈も通っています。地面の中と外を上下に出たり入ったりを繰り返すことで浄化され、豊かになって海に注ぎ込むんです。

けれども、その途中は、コンクリートによってどれだけ正常な流れを拒まれているんだろう……。そんなことにも想いを馳せました。

〝植樹祭り〟森の3箇所に植樹する

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お飾りは、難を転じる〝ナンテン〟

鍬入れは、今日の参加者を代表して、未来を担う小学生にお願いしました。

今日植えた苗木が将来大きくなって、実りの秋には沢山の葉を落とし、降り積もった腐葉土層に覆われた地面が、風に運ばれて海から空へと戻って来た雨をちゃんと受け止めて山に還す。

そして、何年もかけて土の中を通った水が染み出して集まり、沢を甦らせてホタルを呼び戻す!

そんな願いを込め、人が苗木を植えさせてもらうことに山の神様の許しを乞い、感謝の念を記して植え始めました。

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健やかな成長を願いながら植樹

どうか健やかに成長しますように♪

今年は、森の3箇所に植樹しました。

  • 昨年拓いた広場の端の法面の肩

  • 3年前の東日本台風で崩落して出来た谷の両側

  • だいぶ前に大木が倒れて出来たギャップ

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森の3ヵ所に植樹

いずれも、高木となる落葉広葉樹が少ないため腐葉土層がありません。高木に地下深くまで根を張ってもらい、水と空気の縦方向の流れも改善しながら地形を安定させていきたい場所です。

一つひとつのマウンドには、種類の違う複数本の苗木を入れました。土中で根っこ同士が助け合い、譲り合い、競い合って強くなり、根の多様性も高めます。

スコップで掘った穴に苗木を入れたら

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周りに炭を入れて菌糸を呼び込む手助けをし、

落ち葉も入れて、

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少し土をかけ、

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マウンド全体に落ち葉を被せたら、

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根元に水をたっぷりと!

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優しく、そぉっと、かけたら完了です。

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ランチタイムをはさんで、残りの2つの場所を植樹して廻りました。
数十年後の姿を想像しながら、丁寧に作業します。

今日のアフター①

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今日のアフター②

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今日のアフター③

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楽しいランチタイム

お昼は焚き火を囲んで♪

お手製の〝おやき〟を焼いていただいたり

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森の木や海の生きものの繋がりを描いた絵本をみんなで一緒に楽しんだり

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『山に木を植えました』 講談社

私も読んでみたりして

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『わたしは樹だ』 アノニマ・スタジオ

楽しいランチタイムを過ごしました。

焚き火を囲んでランチタイム

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焚き火を囲んでランチタイム

 

森の珈琲店 オープン!

そしてなんと、この日に合わせて、この恩方の森の中に喫茶店が誕生しました。

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森の珈琲店がオープン!

森林農法で育てられた森の木々から摘んだ豆を焚き火で手焙煎して淹れてくれる、この森の中で過ごす時間を楽しむために淹れられた、激ウマの珈琲なんです。

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森林農法で育てたコーヒー豆

「この森にホタルを飛ばすためには、オランウータンが棲む熱帯雨林を守らなければならない。逆にオランウータンを絶滅から救うことが出来たら、この森にホタルが飛ぶ日も近づいて来る」
最近の私のブッ飛んだ発言を後押ししてくれる、夢のような喫茶店です。

ホタルとオランウータンの関係については、前回のイベントレポートを是非ご覧ください!

この店のコーヒーを飲むことが、海の向こうの森を守ることに繋がるなんて……今日の植樹祭りにピッタリのプレオープンでした!

焙煎体験も出来る喫茶店♫

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焚き火で焙煎体験

麗かな女店主さん♪

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この店のコーヒーを飲むことで、海の向こうの森を守る

この店のコーヒーを飲むことが、海の向こうの森を守ることになる
森林農法の珈琲に興味を持たれた方はコチラをどうぞ
(長文4ページですので暇な時に!)

今日の活動を振り返って

本日の植樹が、つつが無く完了いたしました。

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皆さま、一日お楽しみ様でした!

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ T.Tさん(女性)


「はじめてなのに、1番おいしい所(植樹)をやらせてもらって申し訳なく感じましたが、とても楽しい1日でした!」



♡ K.Tさん(女性)


「1か月前にマウンドを作っている時にはイメージすることができませんでしたが、今日は植えてみて、〝あぁ、こうゆうふうになるンだー!〟とわかりました。3年後、5年後、、10年後、、、私が植えた苗木が、大きく広げた枝いっぱいに葉を茂らせている姿をイメージしたら、なんだかとても胸の奥がポカポカしてきました。今回も楽しかった!」

♡ A.Hさん(女性)


「チェンソーパンツ履いた地下足袋のオジさんが絵本を読む姿は今までみたことがなかったので、ここの森の人は面白いなァーと思いました。〝山と一緒に生きたい〟……と思いました」

♡ M.Hさん(女性)


「こないだ作ったばかりのマウンドに既に菌糸が入り、フカフカになった土に触れたら手のひらから〝優しさ〟を感じました。今年はたくさん造作できてよかったです。この沢の再生の歴史を振り返る事ができ、森での活動のつながりが広がった一年でした。街というのは土のある所に人が行き交うと書くという話を以前に聞いたことがあったのですが、やっと今日、そのことの意味が腑に落ちました」

♡ A.Hさん(女性)
「今日は植樹祭り。最後に、素手で触わるといいよ! って言われ、やってみたら、〝手当て〟の語源を思い出して、自分の身体と山の身体が時空を超えてつながったような気がしました。絵本を読んだり、むかし話がだいすきなので、喫茶店がオープンしたら絵本を持って読みにきたいです!」

♡ T.Iさん(男性)
「ボクは専門が植物なので、知識を活かせてよかった。焙煎ってこうやってやるんだ! と、やってみて勉強になった。自分で焙煎して飲んですごくおいしかった」

♡ Y.Mさん(男性)
「まったりしていてよかった! 木を植える時、山がこうして壊れる、こうして長い年月かけて癒っていくということがわかってよかった。2年前に、この会を知りたかったと後悔した」



♡ R.Oさん(女店主さん)


「美味しいコーヒーを自分でも飲めた。焚き火が好き、コーヒーも好き、夢が実現して近づいて、大事ないち日になった」

♡ C.Yさん(女性)
「参加は2回目。今日まで着実に準備をしてきていただいた方々に感謝しながら植えました。植樹は生まれて初めての貴重な経験になりました。絵本は、子どもの頃から読んでもらうのが好きだったので、今日は童心に戻れて良かったです」



♡ M.Tさん(女性)


「楽しかったー!」

主催の振り返り

森は、人間がつくるのではない。

人間に出来ることは、
自然の営みの手助けをするささやかなきっかけづくりでしかない。そのことを再度、肝に銘じて、植樹祭りを終えました。

参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。

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♪写真をクリックすると今回のテーマ曲が流れます♪

ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

◎ 現時点で決まっている今後の予定は、



1/17 (月)

1/29 (土)

2/14 (月)

2/27 (日)

です。

3月以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。

一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝2021年度環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。


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