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『ミントの刺激、バニラの香り 8』

※BL小説です。性的描写があります。18歳未満の方、興味のない方は閲覧をご遠慮ください。


 胸に感じる君の指。途端にぞくぞくと戦慄が走る。自分で触れるよりももっと気持ちよくて、膝が震えてしまう。君の唇が僕の胸の先を含んだ。
「ぁ、あぁ……」
 そこを吸われると、魂までも吸い出されてしまいそうだ。お腹が重だるくなってきて、前の方に熱が集まってしまうのをどうすることもできない。
「真人、気持ちいいの?」
 君の手が、僕の熱く固くなってしまった場所に触れた。
「あっ!」
「俺も、もうこんな」
 君の手が僕の手を顔の上から外し、君自身に触れさせた。君も同じように熱く、固くなっている。
 君の上気した顔が、僕を見つめている。長い睫が綺麗だった。君の掌が僕と君とをひとまとめにして、ぎゅ、ぎゅ、と擦り上げるように動き始めた。
「ぁ、あ……」
 かたくてごつごつした君が僕に当たっていて、僕は頭がくらくらしてきた。君がいつもアイスクリームを作るときにディッシャーを器用に使う手。僕の手を握ってくれた手。僕の大好きな君の手が、僕自身と君自身を高めるために動いている。
 気持ちが良すぎて、君が触れていることに興奮しすぎて、僕は君に出ることを伝える間もなくすぐに弾けてしまった。
「……ごめん、手に……」
「嬉しい、真人が俺の手でいってくれるなんて」
 君は本当に嬉しそうだった。うっすらと赤らんだ顔で、目を潤ませて嬉しくて嬉しくてたまらないという風に僕を見つめている。
 そんな君を見ていたら、僕の心の最後の鎧がすっと剥がれ落ちるのを感じた。

「秋見くん、いいよ。もっとしても、……最後までして、いいよ」
 見る見る真っ赤になった秋見くんが、狼狽えたように言った。
「本当にいいの? 無理してない?」
「今、心の準備ができたみたい」
 君は引き出しから何かのチューブを取り出して掌の上に絞り出した。それから僕の上に戻ってくると、君の指が恐る恐る、僕の脚の間のさらに奥へと滑り込む。自分でもそんなに熱心に触れたことのない、プライベートで恥ずかしい場所。
 ひやっとした感触に思わず身体が竦んでしまうと、君が戸惑ったように手を止めた。僕の様子を確認して、大丈夫そうだと見て取ると、秋見くんは再び恥ずかしい場所を触り始める。
 顔も頭もカッと熱くなって、体中がブルブル震えたけど、秋見くんを驚かせたらきっと止めてしまう。僕は必死で拳を口に当て、もう一方の手でその拳を押さえた。
 それでも、んっ、んっ、と鼻から自分の物じゃないみたいな甘い声が出てしまうのを抑えることが出来なかった。
「ああぁ……っ」
 君の指がついに僕も自分では触れたことのない内側に入ってくると、とうとう大きな声が出てしまった。痛いと言うより変な感じで、そこが熱くて火傷みたいにひりひりして、指が中で動くとお腹が気持ち悪くなる。
 目をつぶって必死で我慢していたら、急に電気が走るみたいにびりっと来る場所があって、びくんと体がひきつった。
「だ、だめ、」
 ダメと言っても秋見くんの指は内部のそこを触り続けて、そのたんびに僕の体はベッドの上でバウンドするみたいに跳ねた。

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