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🔨 職人工房訪問記

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民藝品をつくる職人さんの工房を訪問して、目に見えない部分を文章にしたためます。 意外にどこを基準に選べば良いのかわからないのが、民藝品や暮らしの道具です。素材やつくり手について…
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#民藝

#2  安土草多 | 硝子

#2 安土草多 | 硝子

くもりのないつるんとした表情を目にすることが多い硝子のグラスや皿の数々。

あの透明な世界の中に、くもり、ゆらぎ、気泡がのこる独特の技法で唯一無二の世界観をつくりだす硝子作家がいる。

岐阜県は飛驒高山。
心地よい風が吹き抜ける盆地の丘の工房で、それらは生み出されている。

時間をかけない

半径1メートルほどだろうか。
作業に必要な一通りの機材を円状に配置。工程ごとに行ったり来たりして、ひとつの

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#1  下本 一歩 | 竹・炭焼

#1 下本 一歩 | 竹・炭焼

規則正しい雨音が心地よい立夏。
高知市内から30分ほど車を走らせた。

目指す工房は、四国を象徴するような小高い山を、果て無くぐるぐると登った先にある。
のちに身体が後傾するほどの急斜面を登ると、使い慣らされた炭窯と木造りの工房がみえてきた。

ここで、炭焼の技術を活かしながら竹の道具をつくるのは、下本一歩さん。

この場所は、一歩さんの祖父母の暮らしていた村。今は合併して高知市の一部となったが、

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