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社会人が新聞を読むべき理由。

はじめに

当社の若手従業員から、「取引先との会話についていけない。また社内でベテラン社員が話している内容がわからない・・・。どうすれば話を理解できますか」という質問を受ける機会がありました。

私は即座に「新聞を毎日読むべき」と返し、その理由も伝えたのですが、このような悩みを抱えている若手社会人は多いようです。

ちなみに私は毎日、新聞を3つ読んでいます。本当はもっと読みたいのですが、日々の時間も限られているので、3つが限界ですね。。
ただ中高生の頃は、親が日経、読売、朝日、毎日と取っていたので、毎日4紙読みながら育ちました。(ちなみに親が4紙も取っていた理由は、各紙の営業マンからもらう洗剤や野球チケットに目が眩んだらしいのですが…。)

そのおかげで、中高生の頃から大人の会話にすんなり入ることもでき、若手社会人で営業だった頃も取引先に気に入られることも多く、知識に基づく業界分析などから適切な提案もできていたように思います。

ということで、かれこれ30年近く新聞を毎日複数紙読んでいる私から皆さん(特に就活を控えた学生や若手社会人の方!)に、

・新聞は絶対に読んだほうがいいよ
・読むなら「紙面版」で読みましょう!

ということをお伝えしたいと思います。

なぜ新聞を読んだほうが良いのか?

いうまでもなく、「速報性」という競技での勝負において、新聞はインターネットに完敗です。もちろんテレビやラジオにも。

天災や政治、スポーツニュースに至るまで、ネットでは事が起きて1分後には記事配信されていたりしますが、新聞は翌朝、タイミングが悪ければ翌日の夕刊を待たなければなりません。

しかし、その速報性で劣るデメリットを覆すほど、新聞を読むことにはメリットがあるのです。

そのメリットは以下3つ。

①「正しい」情報が手に入る
②社内や取引先との会話レベルの質が上がる
③情報の「偏り」が少なくなる

以下、詳しく説明いたします。

①「正しい」情報が手に入る

「速報性」でネットニュースに圧倒的に負ける新聞ですが、「正確性」については一般的に新聞のほうが上です。

理由は、新聞は基本的に記者が一次情報(情報源が確か・オリジナルな情報)を取得し、その記事を編集や校閲が入ってチャックを行ったのち世に発信されるのに対し、質の低いネットニュースなどでは、情報源もあいまいで、編集チェック等も甘いまま世に出てしまうこともあるからです。

質の高いネットニュースメディアも最近は増えてきているのですが、ユーザーは配信元のメディア名を把握せずfacebookやTwitter等ソーシャルメディアから玉石混交のニュースを閲覧することも多いため、プラットフォーム側でより何らかの縛りを設けていくかユーザーのリテラシーが上がってこないとこの差はなかなか埋まってこないのかもしれません。

有名な話で、総務省が平成18年に発表したデータだと、平成8年の段階に比べ、情報量は約530倍になっているそうです。(この比較面白いので平成19年以降を知りたいんですが、なぜかずっと発表されていないんですよね…)
平成18年からさらに15年も経っている今、おそらく情報量は桁違いに増えていることでしょう。

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そしてこのまま今後情報量が多くなるほど、「正確な情報」を探すことは難しくなります。だからこそ正確な情報を発信する新聞の価値は相対的に上がってくるはずなのです。

②社内や取引先との会話レベルの質が上がる

会社や取引先には色んな人がいます。その中には芸能ニュースや趣味の話などで盛り上がる間柄も多いとは思うのですが、
やはり上司や大事な取引先との会話では、「昨日起こった政治経済ニュースの考察」「自社が関係する業界の動向」など、新聞以外では獲得しにくい知識を必要とする場面があります。

そんな場面で、会話についていけず曖昧な相槌を打つだけの人よりも、
正確に時事を把握し、それに対しての自分の意見を述べられる人のほうが、上司や取引先から信頼され、一目置かれる存在になるのは自明でしょう。
こういう信頼から、出世や取引先からの受注獲得につながることは少なくないと思います。

さらに、自分が幅広い知識を持っているということは、多くの人と円滑なコミュニケーションを取れるという自信にもなり(とはいえ謙虚さは大事です笑)、人脈を自ら開拓しチャンスを掴む回数も多くなるでしょう。

③情報の「偏り」が少なくなる

これは新聞を必ず「紙面版で読むこと」が前提なのですが、新聞の紙面というのは(カテゴリ単位でまとまっているとはいえ)同じ面に閲覧者の興味のある記事、興味のない記事が点在しています。
その「一覧性」と「網羅性」が新聞の特徴です。

興味のある記事を読むときにも目の端に入ってくる何気ない他記事の見出し。その見出しが頭の片隅にはいるだけでも閲覧者の「情報」となり、いつか仕事や生活でその情報と結びつく出来事が起こったとき、その「情報」は「知識」となります。
すると興味が湧いてくるので、今度からは新たな領域の記事も能動的に見ることになるでしょう。

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ネットニュースだと、どうしても記事が箇条書きになっていて、気になる記事だけを次々にクリックしてしまいがちです。
おまけに最近は「この記事もおすすめ」というパーソナライズ機能が発達しすぎて、より本人の興味、嗜好に特化した情報しか表示されなくなっています。
※余談ですが、このパーソナライズ化が進みすぎている結果、一方的な見地に立った情報しか手に入らなくなるフィルターバブル」という現象が起き、政治や思想分野における個人間の大きな隔たりにまで発展しています。

テレビやラジオだと流れてくるニュースを受動的にしか受け取れず、またある一定以上の大きなニュースしか放送されません。
雑誌はそもそも興味のある人向けに展開されている媒体です。

つまり、新聞は情報の偏りをなくす上で、とてもバランスの良い媒体といえます。

※注意点

そんな正確で質の高い記事を提供する新聞にも弱点があります。
それは、同じ記事に対しても各紙で論調が異なること。

皆さんの頭の中にもなんとなく、○○新聞は体制寄り、△△新聞は反体制寄り・・・といったイメージがあるかと思います。
仮にどちらかの新聞しか読まずに育った場合、若干なりとも思想の偏りが生まれてしまう可能性は否めません。

それを防ぐためには、やはり「新聞を複数紙読むこと」をおすすめします。
ただ、経済的、時間的余裕でどうしても1紙しかとれない、という方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は日本経済新聞をおすすめします。理由は経済に主軸を置いた新聞であるため、左右の偏りが生まれにくいから。(なかには少し大企業寄りかな、、という論調もあるので、そのあたりは読んでいるうちにリテラシーを上げていただければと思います)

私が読んでいる新聞について

ちなみに私が毎日読んでいる3紙は、日本経済新聞、長崎新聞、日本食糧新聞です。
この3つにした理由はこちら。

<日本経済新聞>
全国紙のなかでも、経済を中心に、政治、外交、社会、スポーツ、文化(意外とこれが強い)をバランス良く取り入れることができるから。
私はスマホで読んでいるのですが、紙面ビューアーが非常に使いやすいので、ぜひ試してみてください。

ちなみに日経「私の履歴書」というコーナーは社会人なら必読。業界問わず、「何者か」としてトップに立たれた方の半生を知ることができます。

<長崎新聞>
現在私が働いている長崎県の地元紙であり、地域の方々とのコミュニケーションをとるには欠かせません。記事の質も平均的に高いように思います。
毎日の「おたんじょう」欄を見てほっこりしています。

<日本食糧新聞>
私の会社が食品製造販売業ということで、業界の動向を詳しく知るために購読しています。いわゆる「専門紙」ですね。
個人で購読するのが大変であれば、会社に対し、自社の業界に必要ということをプレゼンし、法人契約してもらうのもいかがでしょうか。

以上が私の読む3紙ですが、皆さんも自分の置かれている立場や住んでいる地域などから、自分にあった新聞をリサーチしてみてください。

新聞の読み方について

今まで新聞を読んだことのない方が、イチから新聞を隅から隅まで読み始めるとすると、最初はとても時間がかかると思います。
なので、

まずは、読むのはリード(見出し)だけ。
しかも興味のあるリードだけでもOK!

です。

理由は、
①先述したように、興味のあるリードを読んでいる過程で、同紙面の他リードも目でキャッチしているから。
②まずは全てを読むことが目的ではなく、”継続して”新聞を読む習慣をつけていくことが優先だから。
です。

特に②の「継続して」が難しいでしょう。最初は自分に甘くしてよいので、興味のある見出しだけを1面から最終面までなぞってみてください。
そのうち慣れてきて、記事も詳しく読むようになっていると思います。

最後に

以上が「新聞を読むべき理由」です。

最初はなかなか読むこと自体も苦痛になるかもしれませんが、まずはリード(見出し)に1日1回さらっと目を通すところからでよいので、始めてみてください。継続していくうちに、少しずつ習慣になっていくと思います。

習慣化して1年、2年経ったとき、明らかに以前と知識の量、社内の上司や取引先との会話の質が向上していくのを実感するはずです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事で皆さんが少しでも新聞に興味を持ったなら私の目的は達成です。(別に新聞社とはなんに関係もないですが…笑)


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木下 秀鷹┃長崎五島ごと 代表取締役
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