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重度身体障がい者が地方から東京で一人暮らしするときに読んだら参考になるかもしれないエトセトラ【前編】

どうも、ホッシーです。

桜はもう散って葉桜に変わりつつありますが、小鳥の鳴く声になんとも心地好い春を感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしですか?

わたくしホッシーはこの春、人生の中で新たなフェーズに踏み出して、


岡山から東京に引っ越して一人暮らしすることになりました!!


思い返せば小学生の時ぐらいから「将来は東京で一人暮らししたいなぁ」なんてのほほんと考えていたらそれが現実になり、この前置きを書いている今窓の景色を見ながら

「願い、叶ってんね。」

と思い耽っているところです。

ただ、重度障害を持っている人間が引越しをする、ましてや同じ都道府県内ではなく県を跨いで引越すとなるとそれはそれは大変なことのオンパレードで、普通の引越しよりも遥かに難易度が高いなと思ったのも事実です。

なんでこんなにハードルが高いのかと考えたときにまず考えたことは

「あまりにも前例が無さすぎる」

ということでした。

あったとしても明文化されていなかったり、詳しく書いていなかったりするんですよね。

というわけで今回の記事では

「重度身体障がい者が都道府県を跨いで引越しするときにやったこと」

をテーマに書いていこうと思います!

結構内容が多くなったので、読みやすいように「前編」「中編」「後編」に分けようと思います。

このnoteがもし今後同じ道を歩もうと後に続く人達にとって、何か一つでもヒントになるようなものになればいいなと思います!

それでは、どうぞ!

引越し準備 ~情報収集編~


さてホッシーが本格的に引越しを考え、動き始めたのは昨年の春から夏でした。

この頃にやっていたことは主に情報収集でした。
実際に東京に住んでいる車椅子ユーザーの友人や、紹介していただいた方にインタビューをして

「どうやって家見つけたの?」

「生活費はどうやりくりしている?」

「一人暮らしで工夫していることは?」

などなど様々な質問をしました。

中でも友人のだいちくんのnoteは非常に参考にさせてもらって、

時間を作ってもらっていろんなことを教えてもらいました。
(彼に教えてもらったことが現在の生活に革命を起こしたことはまた別の話)

ここから学んだことは以下の通りで、


・1階、もしくはエレベーターがある物件を選ぶ

車椅子で階段は無理!

・各部屋の入口が車椅子の幅+5cmぐらいある部屋を探す

病院や福祉施設のように車椅子を想定して設計された物件の方が少ないため、少なくとも入り口の幅が70cmはある物件を探しました。
さらに余裕があればもう少し幅の広い扉の物件を探したいところ。

・不動産屋さんに連絡するときのテンプレ作り必須

ここはとてもシビアではありながら当たり前の話ですが、不動産屋さんによっては車椅子や障害に対する配慮のイメージできる範囲が違うので、

「自分がどういった人間で、普段の生活にどんな事が必要か、またどういった設備やスペースが必要か」

を明確化しておく必要があります。

・行政による制度や支援内容がどれくらいあるかを調べる、比較する

障害を持っていると(そしてそれが重度になればなるほど)、必ずヘルパーさんと共に生活することになります。
そのヘルパーさんを利用するにあたってどの制度を使うのか(例えば「訪問介護」なら仕事量で算定が決まり、「重度訪問介護」なら時間数で算定が決まります。)、そして個人に対してどれだけのサービス内容を支給するかといった部分は自治体によって差があります。
この理由は
「住んでいる住民たちの中の高齢者や障がい者などの割合」
「その自治体に福祉に捻出できるバジェットがどれくらいあるか」

など様々ですが、基本的に事業所の数やサービスは多ければ多いほど良い自治体と判断しても良いです。


というものです。

まだまだこの段階では全くと言っていいほど一人暮らしするということがピンと来てなくて、自分が生活する想像や妄想もものすごく朧気だった気がします。

このときお話した先人たちの話が役に立つのはもう少し後の話。

引越し準備 ~物件探し編~


さて、実際に一人暮らししている当事者の先輩達の話を聞き、いよいよこちらも物件を探し始めました。

まずは大手のSUUMOやUR賃貸、スマイティなどで以下の条件で探しました。

家賃:7~10万円
構成:1LDK, 1DK
条件:駅まで10分以内、バリアフリー or 特定優良賃貸住宅


家を探すときに譲れない条件は、エレベーターの有無や扉の広さだけではなく、

・廊下や部屋がちゃんと通れる
・玄関や家の中、周辺環境の段差がほぼない
・リフトなどの福祉用器具が置けるスペースがある

といった点もありました。

時期にもよりますが、1DKや 1LDKの部屋でバリアフリーとなるとかなり物件数が絞られます。
さらにそこから条件に見合った家賃となると本当に極わずかな物件数になりました。(わたくしのときは3件!)

自分の条件に見合っている物件が3つであれば、

「その3件にとりあえず行ってみればいいじゃない!」

と、この当時のホッシー・アントワネットは思っておりました。

ですが当時、全くと言っていいほど東京の土地勘がなく、東京の大体の建物の大きさや間隔といった距離感なども知らない状態だったため、自分がこれからどういうところに行くのかというリサーチはしっかりしておくべきだったなぁというのがここでの反省点でした。

東京って、広いようで狭いし、狭いようで広いです。

都心のランドマークのような建物は広くてでかいのですが、家や小さな店、道路などは結構小さくてかなりアグレッシブな構造をしていたりします。


あと、意外と急な坂が多い。

ネットでの物件探しで困るのはここで、書いてある情報だけでは中の広さはもちろん、入り口や周辺環境の段差や坂などの情報までは拾いきれません。
Googleマップのストリートビューで道路の情報を見てもあまり鮮明ではないので、段差なのかそうじゃないのかも分かりづらいし、そもそもストリートビューで見る外観と実際に行く時の外観や感触は全く違うというのは家探しに限らない話だと思います。

なのでわたくしがまず最初におすすめしたいのは

「東京に住む車椅子ユーザーとコネを作る」

だと思いました。

実際に東京に住んでいる車椅子ユーザーは結構いて、それぞれに様々な生活スタイルで日々を営んでおります。
この方々に連絡を取ってみて自分が気になっているいろんな意見を聞いてみると、より解像度の高いスタートダッシュが切れると思います。
(もちろん、いきなり問い詰めるとかではなく良識のあるコミュニケーションは取ってくださいね。)

欲を言えば気になる物件があったときに、実際にその物件に行って見てくださる車椅子ユーザーの方がいたら助かったのになぁ…と今振り返れば思います。
(あれ、これ自分がやればいいのでは…?)


というわけで前編はここまでです。
改めて振り返ると「ほんまに再現性あるんか?」と思うようなイバラの道を踏み出したわけですが、安心してください。

ここからもっとイバラの道に行きます!!

ですが振り返って「ここは何とかなるのでは?」という部分は反省点として書いていきますね。

次は内見から物件が見つかるまでを書いていきます。
今回より写真が多くなって見やすくなると思いますので!

それでは、今回はこの辺で!


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