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荼枳尼天2

荼枳尼天と稲荷

前回に続き、荼枳尼天です。今回は、荼枳尼天と稲荷の関係についてお話します。見出し画像は、伏見稲荷大社(出所:伏見稲荷大社、http://inari.jp/)です。
荼枳尼天と稲荷とは、混同され、また同一視されることがあります。稲荷は、田の神である宇迦之御魂神(うかのみたま)が主祭神です。それが、どうして荼枳尼天と混同されるようになったのでしょうか。
一つは、狐を通じてだと言われます。狐は、稲荷神の使いとされます。なぜなら、穀物を食い荒らすネズミの天敵で、狐の色や尻尾の形が稲穂に似ていることが指摘されます。一方、荼枳尼天も白い狐に乗った姿で表されます。ただ、元々はジャッカルだったという説もありますが。
もう一つの理由は、真言密教の東寺と伏見稲荷の密接な関係です。荼枳尼天は、空海の真言密教によって日本にもたらされましたので、その東寺の鎮守社である伏見稲荷に影響を与えていたことも考えられます。

東寺(出所:ウィキペディア)

荼枳尼天を祀る寺院

荼枳尼天を祀る寺院としては、愛知の豊川稲荷(妙厳寺)などが有名ですが、京都真如堂の塔頭、法伝寺の本尊になっています。さらに、この本尊、空海の作と伝わっています。ただ、真如堂は、密教寺院ではありますが、天台宗です。空海の真言宗と、どのように結びついたかはわかりません。逆に比叡山の山王神が、高野山で祀られていることもありますが。歴史の複雑さを考えさせられます。
また、京都市上京区、福大明神町の民家内に小祠としてある福大明神社という珍しい神社があります。ここの祭神が、紀貫之という説や荼吉尼天という説があります。もし、荼吉尼天でしたら、その民家は、荼吉尼天のご利益を受けているのでしょうか。

法伝寺(出所:ホトカミ
https://hotokami.jp/area/kyoto/Hmptr/Hmptrtm/Dkttky/3484/12190/)


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