冒険した気分になる本
外出自粛が続く中、皆さん様々な過ごし方をされていることだと思います。私は聴いたことがなかった曲を聴いたり、積ん読になっていた本を読んだりしています。
本棚を見てみると、気になる本がいくつかあり、既に読み終わった本も読んでいます。
そんな私の本棚から今回ご紹介する本は、宮部みゆきさんの「過ぎ去りし王国の城」です。以前他の本をご紹介したときに宮部みゆきさんの本として例を挙げました。
どこか寂しさを感じさせるお城の黒板アートに、思わず目を奪われます。この本をくれた母も、もしかしたら表紙を見て購入したのかもしれません。
この話の主人公は、推薦枠で受験に受かった中学3年生の男の子です。推薦で受かると、他の同級生たちはまだ受験を控えている状態なので、とてもとてもヒマです。公立高校を普通に受験した身からすると、少し羨ましいです。
そんな主人公が"とある世界"を偶然(必然かもしれませんが)発見し、冒険したり問題を解決したりする話です。冒険、なんて聞くと子供っぽいのかなと思うかもしれませんが、中学生のリアルな視点で描かれていて、大人でも子供でもない絶妙なタッチです。
先日まで私も中学生でしたから、共感する点がありました。大人なのに中学生のリアルな視点で物語を描けてしまう宮部さんはすごいなぁと思います。
また、私は冒険という言葉に明るさや楽しさを感じますが、主人公たちが冒険する世界は大きな闇を抱えています。好奇心と恐怖心が混ざるこの感じ、皆さんの中にもあるでしょうか。私は、なんだか大人になったら忘れてしまう気がします。
私たちの中に悩みや闇があるように、宮部さんの生み出す世界や登場人物にも、悩みや闇があります。そこが、独特の生々しさの要因かもしれません。
ボリュームもかなりあるので、家の中でゆっくり読めると思います。皆さんもぜひ本の中で冒険してみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?