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「ステークホルダー」とPR

こんにちは。M&Aクラウド広報の細山と申します。

スタートアップのPR担当をスタートしてから丸6年が経過しました。現在在籍している「株式会社M&Aクラウド」に転職をしまして早くも1年半。昨年は会社のアドベントカレンダーを書いたのですが、今回はPR関係者の方がご覧になるこちらのアドベントカレンダーで2023年を振り返りたいと思います。

※このnoteは #PRLT (Lightning Text) Advent Calendar 2023 の12/2分の記事です。https://adventar.org/calendars/9192


テーマは、「ステークホルダー」です。


PRのステークホルダーは誰か

その前に、ちらっと「M&Aクラウド」についてご紹介させてください。

株式会社M&Aクラウドは、「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」をミッションに、企業同士のマッチングを支援するプラットフォーム「M&Aクラウド」と「資金調達クラウド」、M&Aアドバイザリーを担う「MACAP」、契約M&Aエージェントによるアドバイザリーを提供する「M&Aクラウドエージェント」の4つの事業を展開しています。

M&Aクラウドの4つの事業

特に、「スタートアップ企業のM&A(スタートアップが売却側)」「スタートアップの資金調達」を中心に支援しています。そのため、ステークホルダーは、スタートアップエコシステムに関係する方々が多いのですが、もちろんそれだけではありません。

(出典元)共同通信PRワイヤー https://kyodonewsprwire.jp/corp/shioj/622/

共同通信さんのこちらの図で言えば、現在接点があるのは以下です。

  • メディア

  • オピニオンリーダー

  • 就職希望者

  • 官庁

  • 株主

  • 業界団体

  • 同業他社

  • 社員

  • 消費者(顧客)

文字にすると結構いらっしゃる…。
今回はこのなかで「メディア」「就職希望者」「官庁」「消費者(顧客)」の4つのステークホルダーに絞って、それぞれどのようなコミュニケーションをとっているのか、自分の動き、そして他の広報チームメンバーの動きも含めて紹介したいと思います。

現在関わるステークホルダーは大きく9分類…?

ステークホルダーごとのリレーション

①メディア

まずはメディアです。「広報は露出屋さんではない」という話にはとても共感します。一方で、広報パーソンがフロントでコミュニケーションをとる相手であるのがメディアさんであることも間違いないです。

M&Aクラウドは、PRを本格スタートさせて以来ずっと「スタートアップのM&A」=M&Aクラウドというイメージづくりやインプットに専念してきました。

近年、「スタートアップのM&A」の件数は年々増加傾向にありますが、まだ市場は成熟しきっておらずメディアで報じられる情報量も多くはありません。また、これまで一度の情報交換で興味をもってくださる(報じる必要性を感じてくださる)メディアさんも多くなかった印象で、”読者が限られる一部の情報”という認識でおられることが多分にありました。そのため、メディアさん側にも「スタートアップのM&A」の必要性を感じていただくことが先と考え、スタートアップM&A事例を解説したり、勉強会を開催したりとコミュニケーションを重ねてきました。

そんな中、2023年になりだんだん風向きが変わってきました。スタートアップを取り巻く市況感の影響もあり、スタートアップのEXIT手段としてM&Aは有効な選択肢であるという声が増えてきたのです。その結果、日経新聞ではスタートアップ面ではなく、「Deep Insight」のコーナーでこちらの記事が掲載に。この記事を見たとき、信頼と影響力のあるメディアに報じていただくことの必要性を再認識したのでした。


➁就職希望者

次に、就職希望者です。スタートアップは採用がすべてとおっしゃる方もいるくらい「採用広報」って重要ですし、難しいですよね。2023年は人事側と広報側で連携し、noteでの社員紹介記事や外部メディアでの社員紹介記事など、発信を強化しました。

ひとつユニークな取り組みとして、NewsPicksさんと一緒に運用していたオウンドメディアの事例を紹介しようと思います。

「NewsPicks」は、経済ニュースを扱うメディアですが、なかには広告出稿で採用広報記事を出すこともできます。そんなNPさんから「社内の新規事業の一貫で試験的にオウンドメディアを運用しようとおもっているのですが、M&Aクラウドさんやってみませんか?」とご提案をいただきました。つまり、自社で作成した記事をNPの媒体を通じて発信するということ。オウンドメディアのコンテンツ制作にはこだわってきていたので、あとは読まれる媒体に掲載できればよし。さらに、NPの読者層とM&Aクラウドの採用候補者層は近しい属性を持っていると思っていたため、これは嬉しいチャンスです。

お声をいただいたのが、2022年12月初旬。ターゲットを採用候補者と決めたものの、求人サイトではないので応募は追わずに、間接的にアトラクトに繋がればよいかなと思っていました。「是非やってみたいです。でも、やるなら求職活動が活発になる年末年始にはスタートしたいです...!」と返答。急ピッチで記事公開の準備を進めました。(12/28の仕事納めの時間ぎりぎりまで、NP編集の方と記事を校正していたことがなつかしい...笑)

結果、なんと1名のM&Aアドバイザーが応募・入社をしてくれて、これには正直驚きました。「元々M&Aクラウドは知っていて、いつも読んでいるNewsPicksの記事をたまたま見て応募した」という話でした。採用候補者がいつも目にしている媒体で情報発信する、ということは効果的であると感じた一件です。長期休暇はねらい目。

③官庁

官庁でいうと、経産省のスタートアップ担当者とのコミュニケーションは継続的に実施しています。

2023年4月に「オープンイノベーション促進税制(M&A型)」が施行されたことで、経産省としてもこの税制を認知させ活用してほしいというwillがあり、私たちも国がスタートアップM&Aを後押ししてくれていることを伝えたいというwillがありました。そこで、外部メディアでの寄稿記事の対談相手として経産省の南さんと白坂さんにご協力をいただき、その税制の意図や狙いを語っていただきました。

他にも、実際に税制の認知度を図るためのアンケート調査を実施しプレスリリースを発信。イベントでのご登壇もお願いしました。「なにか情報をもっていそうな企業」「発信に協力してくれそうな企業」と思ってもらうことで、継続的なリレーションが築けたのかなと思います。

他にも、スタートアップ関連の施策に積極的な議員との情報交換も実施しています。

④顧客(利用企業様)

最後に、お客様です。M&Aクラウドのサービスを利用されているお客様は、買収を検討している企業(買い手企業)、売却を検討している企業(売り手企業)の他に、エクイティ出資を検討している企業や資金調達を検討している企業であり、主に「経営者」や「ファイナンスの責任者・担当者の方」が対象となります。お客様には、メルマガやプレスリリース、SNS等を通して、サービスの最新情報や機能リニューアル情報などをお届けしています。

ただ、そうしたサービスの情報を伝えることは認知はできても、お客様の意識や行動を変えることは難しい。お客様に信頼していただき、安心してM&Aを進めていただくには「サービスを通じてお客様はどんな価値を得られるのか」を発信することが必要だと考えています。

それがこの成約インタビューです。

M&Aはよく”結婚”に例えられることがありますが、M&A成約までには、本当に数々のドラマがあります。そのドラマを直接経営者の方にインタビューさせていただき記事にしています。もちろん、すべての案件で取材をさせていただけるわけではないのですが、経営者の方の決断までのストーリーを取材して発信することで、”お客様のステークホルダー”に正しく情報が伝わることを期待しています。

ステークホルダーの「成功」を考える

複数のステークホルダーの中から、「メディア」「就職希望者」「官庁」「顧客」の4つをピックアップし、2023年の活動を振り返ってみました。

ステークホルダーごとに発信する内容もコミュニケーションの方法もバラバラですが、ステークホルダーと良いリレーションを築くためには「相手がどんな情報(こと)を求めているのか」を考えることからだと思っています。そして、時には、情報云々関係なく、ステークホルダーの成功を支援するための行動が、良いリレーションに繋がるのではないかと思っています。(もちろん、まだまだコミュニケーションが不足していることも多いなと感じていますので、2024年も継続して取り組んでいきます)

2023年もあっという間。2024年はさらに多くのPRパーソンとPR談義ができると嬉しいです。長文にお付き合いいただきありがとうございました!

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