新規就農-資金・土地-

こんにちは。こんばんは。

細野ファーム 細野です。

今回は私が大学を辞めて文字通り0から起業した時の資金の話をしようと思います。

農業をやってみたい。でも農家の家庭でもなく土地もお金もない。
やりたいことがあっても何から手をつけたら良いか分からない若者は多いと思います。
私自身もはじめは岐阜県の農家さんで研修をさせて頂くことから始めた訳ですが、どうやって株式会社 細野ファームを始めたのか。これからお話しします。

言いたいのは、
農業は「起業」しやすい業界だということです。

農業は補助金や融資が通りやすいので、必要な資金調達が行いやすいことが理由に挙げられます。
また、土地についても農地中間管理機構など、縁がない人でも始めやすい仕組みが整っています。

まずは、資金調達の話です。
新規就農者が使うことの出来る代表的な制度資金はこれらです。
青年等就農資金 
融資限度額:3700万円 (無利子,無担保) ※用地取得には使えない
経営体育成強化資金 
融資限度額:負担額の80%(1億5000万円以内) (利率0.30%) ※用地取得に使える
農業改良資金(農業者向け) 
融資限度額:5000万円 (無利子)

このほかに銀行やJAからの低金利の融資も期待できます。
特にJAからの融資については農業経営のための特別融資枠も存在しており、使いやすい資金調達先候補になります。
気をつけておきたいこととしては、特別融資枠や補助金には条件が課されている場合があり、例えば地域農協への出荷が条件となっている場合もあるので、ご自分で立てられる経営方針と合う資金調達先を選ぶべきだと思います。

また、先に挙げた制度資金、特に土地の取得に利用できる「経営体育成強化資金」を獲得するためには、「認定新規就農者」となっていることが求められます。
※認定新規就農者:農業経営開始後5年目の目標を示した「青年等就農計画」を市町村に提出し、認定された新規就農者のこと。
これは、単に資金調達での必要性に限らず、持続可能な農業経営において必須となる経営方針、資金計画などを明確化する機会となるので是非行いましょう。行うことで行政機関や農業関係機関からの集中的な支援措置が講じられるようにもなります。

続いて、資金とともに必要となる「土地」についてです。
ご実家が農業を営まれる方であれば良いのですが、縁のない新規就農者にとっては土地取得もネックの一つかなと思います。
農地等の取得については、「農地中間管理機構」を利用する方法や地権者に会いに行き直接交渉する方法などが挙げられます。
農地中間管理機構は農地バンクとも呼ばれ、リタイアなどにより農地を貸したい人と、新規就農などにより農地を借りたい人とを結ぶ「信頼できる農地の中間的受け皿」です。公的機関であるため安心して貸借が行えるという利点があります。
また、機構の提供する「全国農地ナビ」を利用することで、全国の希望する地域の機構が借り手を探している農地の情報などを確認することが出来るため、その土地とのつながりがなくとも土地の借り入れが行えます。

ほかには、地権者に直接会いに行き「つながり」を作って交渉していく方法ももちろんあります。地域によってはこの方が機構を利用する場合より早く土地の取引が行えることも多いようです。
地権者の中には、耕作を他の人に任せている場合も多くありますから、何度かお会いしながら信頼関係を結んでいくことで、農地利用権を譲っていただけるかもしれません。
また、こちらの方が地域で生きていく上で重要となる「つながり」が生まれやすいので、長い目で見てもまずは地権者を調べて会いに行き、想いを伝えるという一歩を踏み出すことが重要かもしれません。
注意点としては、個人間の取引の場合、特に施設園芸は土地の上に建物を建てたり、井戸水を使ったりするので、そういった利用法も踏まえ契約をしっかり結ぶ必要があるということが挙げられます。

このように、農業は公的機関による新規参入者に対する支援が手厚く、資金や土地の確保において他の産業よりやりやすい一面があります。
農業を始めてみたいけどその具体的なプロセスが分からなかった方、今回の記事で出てきた制度等について詳しく調べ、また地域のJAや新規就農相談センターなどを利用し、
自分の想いをぜひ現実化させてみてください。
共に「魅力的な農業」を作っていきましょう。

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