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プロクラブにおけるフロントスタッフの役割

TUBCの干場です。TUBCは、7月からB3リーグ23-24シーズンに突入しました。
先日、シーズン初めにチーム・フロントの全体キックオフMTGがあり、私はフロントの役割について説明をしました。普段、なかなか表に出ることがないフロントスタッフですが、仕事は多岐に渡ります。今回は、それを簡単に紹介します。

チーム・フロントの役割



上記の図のように、クラブには①競技面②事業面③社会面の3つの側面があります。そのうち、フロントが担っているのは、②③です。

事業面

放映権は入れていませんが、競技問わず、プロクラブの事業内容は大体同じです。
簡単に定義すると、スポーツによる価値や商品・サービスを販売して、収益を生み出す活動、といったことでしょうか(ちなみに、ファンを増やすことも収益に繋がります)。

この事業面の詳細は、企画から運営に至るまで多岐に渡ります。常に収益を考えつつ、とはいえ営業やプロモーション面を考えて最初は無料から始める場面も多くあります。

特にプロクラブで難しいのは、以下の2点でしょうか。

  1. チケットは、直接のチケット収益だけでなく、会場でのグッズ販売などの誘因にもなるので大事です。他方、まだ認知度がないクラブでは無料招待も一定程度は必要になりますし、来場者の期待に応える興行・演出をしなければ次に繋がりません。

  2. パートナー獲得のための営業活動は、有形物を販売するのではなく、ある意味「夢や希望を販売する」ということ。それを金額化することは難しいものの、とはいえ(コロナで他事業の収益が下がるときは特に)大きな収益源なので、何としても獲得する必要があります。ただ、何もせずにパートナーが付くこともないので、どれだけ双方に価値のあるアクティベーションができるか?も同時に問われます。

良い循環のフェーズに入ると収益も伸びていきますが、実は競技面とも関連性があります。つまり、試合に勝てるチームや試合内容が面白ければファンが増えて、試合を見に行こうとなるので、それに伴って各事業に対してプラスの効果が出ます。

社会面

クラブが社会や地域と関わる以上、社会貢献や地域活性化といったことも必要になります。特に、地域に根差して活動するわけですし、ホームタウン制があるならなおのこと社会面の活動が大事になってきます。

TUBCでも、ホームタウンを中心に社会面の活動を1年目からおこなっています。

TUBCでは、先日、「スポーツとまちづくり」をテーマにしたシンポジウムを開催しました。私たちと同様に地域で活動するチームと行政の長である区長をお呼びして、オープンに語り合う場です。
お互いに課題や期待を皆さんと共有し、ここからどう具体的な施策に展開していくかは次のフェーズです。

TUBCは、車いすバスケチームのNO EXCUSEと連携協定を締結し、毎月、小学生を有明アリーナにお呼びして車いすバスケ体験教室を開催しています。「共生社会の実現」「ダイバーシティ」の理解のためには実際に体験することが最も近道なので、この活動は継続していきたいと思っています。

地域における学校との連携も大事です。TUBCでも学校への選手派遣や、逆に職場体験の受入もおこなっていて、高校や大学の授業アドバイザーも務めています。地域のプロクラブが関わることにより、「プロクラブが地域にあることの意義」や、「スポーツを通じて地域の課題を解決すること」まで考える機会になると理想的です。

チームとフロントが交わる部分

上記のように書いてきましたが、最初の図にあるように、円が重なる部分があります。これはトップチームとフロントがクロスオーバーして協力し合う部分です。

  • 選手がグッズ販売を積極アピールすることで、グッズの売上増に貢献する。

  • 選手がパートナーへの訪問に同行することで、より生の声をパートナーに伝えて伝えて契約更新や新規契約の後押しをしてもらう。

  • フロントが、営業活動の中で選手のケアに必要な物品のサプライを引き出してくる。

この他にも具体例は様々ありますが、大事なのは、チームとフロントがリスペクトし合うこと。「これは自分の仕事ではない」と割り切るのではなく、少しずつお互いにサポートすることがクラブ全体の価値を高めるので、重なる部分も積極的に参加することが必要です。
この点、TUBCでは、初年度から互いのリスペクトができていて本当に助かっていますし、その雰囲気がファンにも伝わっています。

というわけで、23-24シーズンが始まったわけですが、チームが競技力向上のため本格的に練習が始まったので、フロントも事業面・社会面でより良いクラブになるように精を出しています。
千里の道も一歩から。その2歩目をクラブ全体で踏み出した2年目のシーズンもご期待ください。

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