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国際新婚生活からの離婚寸前まで衝突しまくった話

今年はじめに入籍してからというもの、「新婚っていいな、結婚生活って楽しいな」と、のほほん気分にひたっていた矢先に、事件は起きました。

今週未明、犬も食わない夫婦大喧嘩が勃発。からの、離婚寸前までまっさかさまに。
堕ちてディザイア、燃えてディザイア。

ふとしたことがきっかけで
「オレのメンツをつぶすな!」
「こうなったらもう離婚だぞ!明日は役所行きだ!」

と大激怒のヤンくん。

そのへんにあるものを片っ端からブン投げて、夕食が載ったテーブルをまるごと盛大にひっくり返し、顔を真っ赤にして中国語でなにかをまくしたてて。

その時は正直、何も分かりませんでした。
私がなにをしたことで、あんなに優しい彼をここまで激変させたのか。
私に怒りをぶつけることで、何を伝えたいのか。

私を殴る寸前で手を止めたヤンくんは、くるりと背を向けて出て行きました。まだ怒りが冷めないようで、ぶつぶつ言いながら。

「悲しい」
というのが、一連の騒動の直後に浮かんできた気持ちです。

彼の言ってることもやってることもわからない。なんでこうなったのかも、全然理解できない。

大好きな彼のことがわからなくて、悲しい。

手を挙げる寸前までいった彼から身を守るため、そして物理的にお互い距離を置いて冷静になるために、その夜は近くのホテルで一人で過ごしました。

まずは冷静になって、それから今後のことを話し合おう、とWeChatで連絡を取りながら数日間は家に帰りませんでした。

その間、私は今後の様々な可能性を考えたり、友人数名に相談してアドバイスをもらったりして、彼と私にとってどんな未来がいちばんいいのかを悩みまくりました。

・器物破損で訴えてしまえ
・離婚するなら今後のために慰謝料を請求しよう
・いきなり離婚は違うでしょ
・まずはよく話し合って。今の2人は話し合いが全然足りてない
・男のメンツを立てるハウツーをこの機会に身につけてみては

こんな感じで、めちゃくちゃ現実的かつ実用的なアドバイスをたくさんもらいました。
一緒に悩んでくれる人達がいて本当によかった。

翌日、疲れ果ててなにもできなくなっていて、その夜のバーは臨時休業にしようかと思っていました。
くよくよ落ち込んでいる私といても、お客さんが楽しくないよなあ、と。

「手伝いに行くんで、今日は休んだらいいですよ!」

平日夜にも関わらず、友人数名が仕事終わりに事情を聞いて駆けつけてくれて、その日はとてもにぎやかに過ごすことができました。
助けてと言える友人がいることも、本当によかった。

ひとりでやって来た深センで、今ではたくさんの人達に支えられている事実に改めて感謝しました。

ヤンくんとの共通の友人が仲裁役をかってくれて、言語的にも文化的にも彼の言葉がわからない私に、彼からヒアリングした事情を説明してくれました。

ここまででやっと、自分がわからなかったことが少しわかりました。

友人のアドバイスにあったように、私たちには具体的な話し合いがすっぽ抜けていたこと。
彼の不満がチリツモで蓄積して、爆発したこと。
これまで何が不満で、その不満を解消するために今後はどんな改善をすればいいのか。
中国人と日本人という文化の違いに加えて、彼の考え方と私の考え方もまた全然違うこと。
こういうときは次からこうする、あの時はああしてほしかった、とケーススタディを繰り返すこと。→行動様式のテンプレ化をはかる。

「そんなことも分からないの? いちいち言わないといけないの?」
「うん、そんなことも分からないの。いちいち言わないといけないの。私たちは別の人間だから」

ヤンくんはポカンとして聞きましたが、私は大真面目に言い返しました。

はじめはささいなすれ違いだったことが、いつの間にか大きな隔たりになっていたんだなあ、とここまできてやっと理解しました。

そのへんにあるものを片っ端からブン投げて、夕食が載ったテーブルをまるごと盛大にひっくり返し、顔を真っ赤にして中国語でなにかをまくしたてて。

大激怒のヤンくんを見て、ここまでの惨事が起きてやっと、「自分がこんなにも何も分かってなかったんだ」ということ事実を目の当たりにできた気がします。

一緒にいて笑っていればそれだけでいいんだ、なんて甘い幻想だったと。
国際結婚も異文化理解も、他人と他人が共同生活を営むことも、険しい道のりなのに、見て見ぬふりをしてやり過ごしていたんじゃないかと。

ふたりでたくさん話して、ワンワン泣いて、この経験からもう一度再出発してみよう、という結論に至りました。

国際新婚生活からの離婚寸前まで衝突しまくって、やっとスタートラインに立てた気がします。

Get Up,Get Up
Get Up,Get Up
burning heart

Get Up,Get Up
Get Up,Get Up
burning love

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