見出し画像

海外転職5年目のリアル × 10

いらっしゃいませ、ゼロからの海外転職を応援するゆきのnoteへようこそ!

これまでは週刊note として、2014年に私が初めてのシンガポール現地採用に挑戦したエピソードをほぼ実話で連載しています。

今回は特別編として、海外就職(アジア転職)をして5年目に突入するとどんなカンジ? という体験談をお届け!

先に結論を申し上げると、日本がいいよねって確信しつつも、日本にすぐに帰れるアジア諸国でゆるく楽しく働いて暮らしたい!

そのココロを、10のトピックで説明したいと思います。

1 日本最高!を再発見

電車やバスが予定通りに来る。コンビニやレストランでいつでもいらっしゃいませと笑顔で迎えてくれる。日本語が通じる。買ったものが壊れない、そして安い。トイレに紙がフツーにあるって!!

日本で暮らす上での当たり前って、全部素晴らしいことだったんだな。ということを、日本を離れてはじめて再発見。
生活する上でのコストや快適さは、日本が世界一。帰国するたびにじわじわと実感が湧くんだよなコレ。

画像1

2 「日本人」という切り札の威力

海外就職での面接においては、国籍:日本というだけで加点される。
日本人のイメージは、真面目、働き者、遅刻しない、嘘つかない、など。先人たちの努力の積み重ねで、今の日本人への高評価があるんですね。ありがとう!
その加点が大きいので、面接での英会話が多少ヘタでもカバーできる。

面接時のウケの良さはもちろん、仕事が始まってからも「そんなに働かなくていいから!」と、止められることもしばしば。キリのいいところまでやってから帰ろうとしたら、退勤時間3分過ぎただけなのに。

私がこれまで経験した職場では、就業時間1分過ぎたら残業扱い。残業は悪! といわんばかりにスタッフは退勤5分前に帰る準備をして、時計を見つめて針が進むのをじっと待つ。

あ、例外もあったわ。

話がちょっと脱線したけど、日本人ブランドは今でも強い。この切り札は有効活用するしかない!

画像2

3 シェア生活と引っ越しの連続でミニマリストに

国や都市にもよるけど、現地採用は家賃も自己負担が基本。そのため固定費をおさえるために、共同生活をすることが多い。個別の部屋があって、キッチンとリビングとバスルームを共同という暮らし方が一般的。

実質ワンルームで暮らすので、たくさんのものが置けない。そして日本より湿気の多い国や南国では服や小物がカビがはえてダメになる。だから高級品よりお手頃なモノを選ぶ。あとは、キッチンやバスルームなどの共有部分には前の住人が置いていった食器や洗剤が充実しているので買わなくていい。

家具家電や寝具など完備、引越しの手続きも簡単。だから身軽な現地採用は、1年や2年で引っ越しをすることもよくある。

結果、衣類や本、最低限の生活用品など、本当に必要なものだけで暮らすスタイルが身についた。これがいわゆるミニマリスト。

3年以上暮らしたシンガポールを離れる時も、いらないモノは捨てたり人にあげたりして、最低限の洋服や化粧品、本や文房具、スマホやパソコンなんかで荷造り。その結果、中型のスーツケース1コと、大きめのバックパック1コだけのコンパクトな量におさまった。

ものを大事にしないというより、大事にするほど品質を保持できないのがアジアのものづくり。洋服なんかは季節用品と割り切って、安いものを買って洗濯を繰り返すとダメになるので、思い切って捨てる。そしてまた安いものを買うというサイクルが定着。

画像3

4 清潔度が低くてしんどい

衛生面はアジア諸国はどこの国もしんどい。ぶっちゃけトイレが汚いってこと!
宗教上、トイレットペーパーを使わずに水ですすいだりするらしく、大体ビシャビシャ。
トイレって日本人にとって落ち着くためのスペースでもあるはずなんだけど、海外のトイレはまあ落ち着かない。用を済ませたらすぐに出たい。

ほかにも、レストランでの食べ方が汚かったり、タバコのポイ捨てがたくさんあったり、シェアハウスの自分の部屋に正体不明の虫が出たり。

このあたりは、日常生活でじわじわ辛くなるところ。衛生先進国・日本で育ってきた人たちにとってはしんどい。

海外生活で快適な衛生を求めるのはもはや不可能だと割り切ることにしてる。最短でトイレを済ます技を身につけたり、虫や汚れを見かけたらぎゅっと目をつぶる。見ない。

見ちゃうと気になってキリがないから。

画像4

5 自分にも周りにもゆるく優しく

雨が降ってバスが遅れたので遅刻した。大型連休の前後は役所での手続きが進まない。友達が約束の時間になっても来ない。私は5分前に到着してイライラしながら待ってるのに。

これも上記の衛生面と重なるところで、日本にいる感覚のままで過ごすと、うまくいかないこと、気になることが多すぎる。海外生活のはじまりは、イライラしっぱなしになりがち。

じゃあどうするか? しょうがない、そういうこともあるよね、と諦めて受け入れる。

真剣に問題解決に取り組んでも問題はなにも解決しないから。

しょうがない、そういうこともある、しょうがない…と100回つぶやいたらやっと心が落ち着く。半年経ったら頭がなじんでイライラしなくなる。そして1年経ったら、自分も約束の時間に3分遅れることができるように。

おわかりいただけるだろうか。強迫観念みたいに時間にきっちりして暮らしてきた自分にとって、3分遅刻するってすごい。

こうして少しずつ、周りのゆるさや優しさを見習えるようになった。

画像5


6 だめな自分を受け入れられる

上記のゆるく優しく、とも共通するんだけど、自分にも周りにも厳しい日本と比べて、アジア諸国は自分にも周りにもめちゃくちゃ優しい。

相手が遅れても何も言わないし、予定が急に変更になっても誰も気にしない。
時間に厳しいタイプの私は、海外で暮らし始めた頃、いつもイライラしていた。
それからだんだんこういうもんだなと思うようになってきて、自分も1分遅刻できるようになったのは、海外生活が2年目に入った頃だ。

風邪ひいたかも、職場でポツリとつぶやいたら今すぐ病院に行って帰って寝てと送り出される。

風邪ひくなんて、体調管理がなってない自分だめだなぁ、、周りに迷惑をかけて申し訳ないとダメな自分を責めていた。

有給と病休が別、病休を取っても査定に響かない。
病気になったらよく休む。

他にも、レジの計算を間違えたり、仕事の順番をなかなか覚えなかったり、言われたことをやるのに精一杯で、気が利かなかったり。

それでも全然構わない。雇用契約書に書かれた内容が私の仕事の全て。気をきかせて朝の掃除とか、上司のお茶くみとか、それ以外の事はやらなくていい。

画像6

7 給料20%オフ! そして仕事量60%オフ! 

友人であり、海外転職の師匠でもあるししもんの名言を今でもたまに思い出す。

日本には、給料高くてきつい仕事か、給料安くてもきつい仕事、どっちかしかない。
アジアで海外転職すれば、そこそこの給料でそこそこの仕事が見つかる。


日本はどうにも働き方や相互監視の目が厳しい。みんながやってるんだからあなたもやって、そんなことを何回も言われた。
アジアで働いてよかったのは、この謎の同調圧力から逃げ出せたこと。

やりたい人がやればいい。私はやりたくないからやらない。

アジアの働き方は自己中心的、まず自分、そして周りには興味がない。

日本でバリバリ働いていた頃に比べて、お給料は減ったけど、仕事のストレスもかなり減った。

そこそこの給料で、そこそこの仕事。
キャリアパスはないし出世コースからは程遠い、雇用契約の期間が終わったらいつクビになるかもわからないけど、私は現地採用という働き方を選んで良かった。

画像7

8 いつでもどこでも子供に優しい

バスや電車の中で子どもが泣いてたら、周りの人たちは笑顔になる。お腹すいたの? オムツ替える? かわいいねえ、と泣いてる子どもに笑顔で話しかける。
子育てするママさん達は、ありがたいだろうなあ。

海外生活を始めたばかりの頃、飛行機に乗って、後ろの席で赤ちゃんがギャーギャーとずっと泣いててイライラしてしまった。ちょっと静かにしてくれる? と、振り返って言った。スカーフを頭にぐるりと巻いたお母さんが私の目をじっと見て、この子はまだ赤ちゃんなのよ、って言い返した。

その時は、はあ!?ってうっかり思ったんだけど、お母さんに言い返されたことを冷静になってあとで考えた。

そうだ、赤ちゃんは泣くよなあと。そして、私が赤ちゃんだった頃も、たくさん泣いたんだろうなあとも。

子どもは泣くもんだ。公共の場で空気を読んで感情をおさえられる子どもなんていない。

日本ではなんであんなに、ベビーカーを乗せる地下鉄や泣いてる子どもを必死になだめてるお母さんに厳しいんだろうか。厳しくする人たちは、子どもは泣かなかったんだろうか。そんなはずないのに。

こんな当たり前のことを当たり前に感じられるようになったのは、日本を離れてしばらく経ってからだった。

画像8

9 とにかくやかましい

とはいえ、耐えられないほどやかましいのも事実であって。

乗り物の中やレストランで、子どもの泣き声やテンション上がって叫ぶのはもちろん、話し声はデカいし、動画アプリ「TikTok」を爆音で連続再生する強者も。イヤフォン使わないの? あ、使わないの…。そっか。

それでもやっぱり誰も気にしない。それぞれの会話やスマホに夢中。
うるさいな、と感じてるのは私だけみたい。まだまだだな。

しかし、あきらめるしかない衛生面とはちがって、こちらは対策ができる。それはイヤフォン。最近は安くて高性能なイヤフォンもあるので、外出の必須アイテム。充電型なら予備のイヤフォンも。

とにかくやかましい、言い換えればにぎやかで楽しい。でもやっぱやかましいので、そっとイヤフォンを耳にねじこんでバスに乗っていた。

画像9

10 自分らしさの追求

20代、30代、40代、と年代ごとにメイクやファッションを括られる日本。

10代のギャルみたいなファッションは40代になったらできないし、年齢を重ねるほど地味で無難な服装や髪型になっていく。

それが常識だったのに、あっさりくつがえされたのがシンガポール。
ノースリーブで膝上の丈のワンピースで出勤する総務のおばちゃん。
はたまた、ビューンと伸びたまつ毛にキラキラのラメで目の周りをふちどったおばちゃんと街ですれ違ったり。あれはいわゆるギャルメイク?

印象的なのが、とにかくおばちゃん。
自分が好きな服を着ていることがとても自然で、誇らしげに見えた

おばちゃんが元気なのは中国も一緒。共働きが基本の中国夫婦。子どもが小さいうちは、実家のおじいちゃんおばあちゃんにあずかってもらって、両親はバリバリ働く。
女であり、母でもあるけど、まずは自分。自分がやりたいことをやるのが最優先。

海外生活で感じる気楽さのひとつは、こういう「役割」を押しつけられないこと。

「女性らしい仕事を」とか、「課長だからもっとやらなきゃ」みたいな役割が私は苦手。例え自分が女だろうと課長だろうと、得意なことからやりたいし、苦手なことはなるべく避けたい。

そういう働き方ができるようになったのが海外転職。

画像10


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?