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恥ずかしい経験を晒してスカウトメールの本質に迫ってみる。

はじめまして。こんにちは。イチグウ株式会社の星野雄大と申します。

私は起業してから4年間ずっとスカウトメールを送っています。要はずっとダイレクトリクルーティングに関わっているということです。人材紹介会社としても顧客の代行としても自社の採用活動の一環としても、スカウトメールを送っています。

ダイレクトリクルーティングの話になると、質と量どっちが大事なの?と聞かれます。(ここで言う質は文章の内容とします)

やはり皆様悩まれている部分なんじゃないでしょうか。

私の解としては、1人に対し、フルカスタマイズで1時間かけてスカウトメールを作ってください。のような非現実的なことは言いません。ただ、採用担当者も暇ではないので、なるべく生産性を高く維持してスカウトメールを送り、出会いたい人とだけ出会う。これを実現すべきだと思っています。

スカウトメールに正解はないです。返信率が100%のテンプレートなんて存在しません。受け取る相手が人間だからこそ、同じようなスカウトメールでも開封されるされない、返信されるされない、があると思っています。

前置きが長くなりましたが、ダイレクトリクルーティングをされている皆様にとって良い機会となるように、イチグウ株式会社がやってきた愚かな施策を4つ、上手くいった施策3つを紹介し、スカウトメールの質はこだわるか否かを考察していこうと思います。くれぐれも愚かな施策は真似しないでくださいね!

さっそくですが、愚かな施策から紹介します。

求人内容ベタ貼り長文作戦

いきなりですが、これやってる企業多くありませんか?
スカウトメールの内容を求人内容で埋め尽くす。

ぱっと見は長文でしっかり書いてるスカウトメールなんじゃないかなと感じますが、公開されている求人内容と同等の情報が送られてきただけなので、そのスカウトに価値はないです。無価値です。ただの手抜きスカウトです。

求人が添付出来なかったり非公開求人の場合は施策としてありだと思いますが、このパターンはそこまで多くないかと思います。

工数が足りないとスカウトメールをリニューアルしたりチューニングするのが面倒になったり、新たな採用ポジションが出てきてスカウトメールを作るのが面倒でやってしまいがちな気がしています。

イチグウ株式会社としては特段返信率が高いスカウトにはならず、可もなく不可もなくという結果に終わりました。
この手のタイプはかなり流通しているので求職者も「テンプレだな...」と感じるかと思います。

求人内容ベタ貼りスカウトは手抜きスカウト!と定義させていただきます。

魅力ゴリゴリスカウト作戦

無意識に企業の魅力をたくさん盛り込んでしまってませんか?
業界1位、売上◯億円、◯億円資金調達、◯期連続増収増益、若手活躍、綺麗なオフィス、などなど。

企業の魅力を記載するのは悪くありません。むしろしっかり記載すべきだと思っています。

ただ、盛り込みすぎると「俺たちこういうイケてる組織だけど、君どう?入りたい?」というような上から目線のスカウトメールになってきます。

個人的には魅力アピールは求人広告が相性が良いと思います。
ピンポイントで採用したいからこそダイレクトリクルーティングをされていると思うので、求職者が大事にしている軸や求めている情報を推察してスカウトメールを送るのが理想です。

企業が伝えたい情報と求職者が得たい情報には乖離があると思いながらスカウトを作りましょう。
こちらに関しては、キャリア軸よりも条件軸や保守的な方からのエントリーが多かった印象です。

魅力ゴリゴリスカウトはマウントスカウト!と定義させていただきます。

とりあえず会いませんか?作戦

「とりあえず会いませんか?」を全面に出し、なるべく余計なことを書かずに、会ってから訴求する作戦を実行しました。
実施した背景としては、求職者も忙しいから長文よりも短文の方が良いのでは?会って話を聞いてしまった方が楽なのでは?と考えたためです。

結論から言うと、「いや、会わねえよ」で終了です。
「ZOOMでも面倒だわ」で終わりです。(こういう返信が来たわけじゃなりません)
「はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ」でジ・エンドです。(言いたいだけです)

実は、これは後に成功するパターンにもなるのですが、ダメだったポイントをまとめます。

自分が会いたいだけ

以上。

この作戦は求職者が「会っておくと良いことあるかも」と思えるかどうかです。求人企業であれば「すぐには転職できないけど、将来的な選択肢として持っておきたい」とか、人材紹介会社であれば「いつかこの企業にお世話になりたい」など。

皆さん、求職者にメリット提示できてますか?

上手く訴求できたときは転職潜在層からの返信が多かったです。ナーチャリングしていく前提で行うと良いと思います。

ダメなとりあえず会いませんかスカウトは自慰スカウト!と定義させていただきます。

1求人1スカウトメール作戦

分析していくと返信率が低い以前にスカウトの開封率低かったので「質に拘っても開封されなきゃ意味なくね?」という私のいい加減な考えから圧倒的な量配信へパラダイムシフトさせました。
※こういう時は件名を変えてABテストを高速で繰り返しましょう。

「1求人1スカウトメール作戦」聞こえは良いかもしれませんが「1求人1テンプレぶん回し作戦」とも言えます。

営業において「量は質を凌駕する」は成り立つと思いますが、スカウトに関しては成り立ちません。なんと、返信率1%未満。ある意味ギネス級。

そして、このアクションすら意味がないと感じ、スカウト配信可能通数を残したまま媒体を解約しました。このアクションは人がやることじゃないです。

1求人1テンプレぶん回しスカウトは害悪スカウト!と定義させていただきます。
絶対やらないでください。

ーーー

いかがでしたでしょうか。
恥ずかしながら、試行錯誤の結果、データベース荒らしをしてしまったことがあります。その節は大変申し訳ございませんでした。
手抜きだしマウントとるし自慰だし害悪...最悪という言葉が相応しいですね。

量の担保は出来るので一定の返信はいただけましたが、返信率がそこそこだったのは一通目だけです。二通目三通目と送らないといけないのがダイレクトリクルーティングの特徴でもあるので勿体ないことをしたなと思っています。

この作戦は工数はかかりませんが、データベースを荒らしたら違うデータベースに切り替えないといけないので良い方法とは言えません。

この経験からしっかりと学び、返信率を改善し、現在は求職者にとっても良いスカウトを届けられているかと思うので、ここからは良かった施策の紹介です。

とりあえず会いませんか?作戦(改善バージョン)

冗長な文章より端的で要件がはっきりしてる文章の方が伝わりやすいです。だからこそ、端折れる部分は端折る。求職者は「お前がだれか」よりも「どんな企業か」をまずは知りたいはずなので自己紹介を省略するために自分のSNSのリンクを記載することで終了させました。(私の場合はTwitterのリンクを貼り付けました。)

もしSNSをフォローしてくれたらSNSがリタゲのようなムーブをしてくれるので認知している状態を維持できます。ダイレクトリクルーティングの弱点を補えるのでかなり有効です。

もしSNS運用がレピュテーションリスクがある場合はオウンドメディアでインタビュー記事を作るなどしてスカウトメールに長い自己紹介文を記載しなくて良いような取り組みをお勧めします。

文章構成としては下記になります。

・件名
・挨拶
・スカウトメールを送った理由
・会社の紹介
・会社の将来展望
・カジュアル面談依頼
・署名

愚かな施策パートでも先述しましたが、転職潜在層と出会うケースが多いのでカジュアル面談後の本選考移行率は他のスカウトメールと比較すると若干低くなるケースもありますが、しっかりとナーチャリングしていけば無問題です。

余談ですが、ダイレクトリクルーティングを上手く行っている企業はナーチャリングがすごく上手いです。某スカウトツールの広告を思い出してください。「転職を検討していない人でも登録している」と謳っているのを見たことありませんか?そういうことです。

足りない作戦

多くのスカウトメールが企業の魅力を説いていますが、その中で「自社が足りないこと」を記載している企業は多くありません。
その足りないところをあなた様が埋め、会社のグロースに貢献してほしい」というメッセージを加えてあげれば、求職者は自分の役割を明確に認識できます。

ターゲットとなる層が中堅層以上であれば「自分がどんなバリューを発揮できるか」も重視しているので効果的かと思います。

実際に「自分の役割は分かった。もう少し具体的にお聞きしたい。」というお返事をいただくことも多かったです。

文章構成としては下記になります。

・件名
・挨拶
・スカウトメールを送った理由
・会社の紹介
・ポジションの紹介
・会社の将来展望
・候補者に期待すること
・カジュアル面談依頼
・署名

候補者に期待することに自社が足りない要素を織り交ぜて記述してみてください。

自由記述項目見てるよ作戦

スカウトメールにこだわっている企業は実施済みかと思いますが、自由記述項目は求職者が大事にしていることを記載している可能性が高いです。
年収アップを実現したい、営業マネージャー以上を希望したい、副業できる環境がよい、など。

だからこそ、そこを見てスカウトメールを送りました!というのが分かるようにしてあげると受け取った側もちゃんと登録情報見てくれてるじゃん!という感情になります。
カスタマイズして送る場合は、必ず確認して送りましょう。

文章構成としては下記になります。

・件名
・挨拶
・スカウトメールを送った理由(自由記載項目にフォーカスした理由)
・会社の紹介
・ポジションの紹介
・会社の将来展望
・候補者に期待すること
・カジュアル面談依頼
・署名

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以上となります。
参考になるものはございましたでしょうか。
そんなもん自社で実施済みじゃ!と感じられたら申し訳ございません。また別のnoteでナレッジ展開出来るよう尽力いたします。

結論

・質にこだわらず量を配信しても一定の返信はある。
・ただし、データベースは荒れ果てていき中長期的にそのデータベースを使うことが難しくなる。
・下手したら「この会社はテンプレを送ってくる会社」というブランド棄損につながる。
・質にこだわった方が返信率は高い。
・質にこだわったスカウトでもチューニングは必要。
・データベースのスカウト流通量や求人企業としてスカウトを送るのか、人材紹介会社としてスカウトを送るのかで条件が変わってくる。
・返信率が高かったスカウトメールも使いまわせば効果は弱まってくる。


次回はSNSで告知したらスカウトメールをたくさん添削することになった編を公開予定です。
許可得た方のスカウトメールのみフィードバック内容を公開します。

最後に宣伝です。

スカウト業務を代行して欲しいという企業様がいらっしゃいましたら打ち合わせさせていただければと思っています。TwitterのDMからご連絡ください。(新規事業の話とかおもろいホワイトペーパーの話とかは今詰めてるところなので暫し待ちを!)

では!

イチグウ株式会社
代表取締役 星野雄大

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