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ショートエッセイ集(15)〜綴ってきた思い出〜

① 難病寝たきりになって
私には『イス』が必要無くなった。
座れなくなったからだ。

『ピアノ』が必要になった。
ピアニストになったからだ。

『〇〇できるようになってから〇〇する。』という考えが一般的だが、

できるようになる『条件を待つ』のではなく
できるようになる『条件に向かう』のだ。

② 難病寝たきりの私ですが、
ネットの発展のお陰で、
『ベッド上に皆さんを招き入れる』といった
新しい形の音楽家になる夢を叶えてきた。

こういう夢が叶う時代のもとに生まれたことに感謝して、
支えてくれるみなさんに『今日もありがとう』

『ベッド上から世界へ!』…が私の音楽家としての夢です。

③ 事故で寝たきりになり、明日は突然絶たれると知ってから『明日は必ずしも来ない』心構えで生きてきた。ありがとうはすぐに伝える。恩返しは来ないかもしれない未来に賭けるような話じゃなくて、この瞬間『今』できることで返していくことが私にとっての『生きる』なのだ。
『また今度』の今度は『今』

④ 難病寝たきりの私には、夢がある。
たどり着くための方法は何度でも『諦めて』変えていく。

一見『夢のために諦めないでしがみついてる』ように見えて
実は『上手くいかないことは諦め手放しまくってる』
諦めないことの大切さは教えてくれるけど、諦めることの大切さは誰も教えてくれない。日々決断

⑤ 難病寝たきりの私
「友達が難病でどう接したらいいですか?」と質問を受ける。

私が嬉しかったのは、親友が「今プロポーズされた!」って、嬉し泣き大興奮で電話してきた時。
家族よりも他の誰よりも早く「私を」選んで伝えてくれたこと。

「変わらないでいてくれる」優しさが私は嬉しかった。

多くの友人は、寝たきりの私に気を遣ってくれて、喜びや幸せの話をしないでくれるのだけど、それはその人の考える優しさで私は包まれている。
この世には苦しみを理解しようと寄り添う優しさと、
喜びを共有し、変わらないでいてくれる優しさがある。

どちらも「優しさ」
同じ言葉で違う形をしている

⑥ 難病寝たきりになった私、病気が治ってからピアノを弾こうと思っていたが、3年経っても治らなかった。…で諦めてどうしたか。
『ピアノを弾くのを諦めた』のではなくて『病気が治って座れるようになってから弾く』…そっちを諦めた。その瞬間未来が切り開けていった。何を諦めるかの選択が何よりも大切

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