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楽天地獄              売上を上げほど、経営が苦しくなる楽天運営の負のスパイラルの話①    

楽天に出店で、利益を上げることは至難の業。販促広告の地獄に陥ります。


6月のスーパーセールが始まりました。
どのお店も、セール対象商品や値引き、ポイントと利益を削り、売上の努力をしています。

 楽天のECC(営業担当・コンサルタント)からは、「***さんのお店にピッタリのスーパーセールの広告枠を用意しました」と連絡があり、半信半疑で、”みんながやっている”から広告枠を買っている事業者さんが多いはずです。
 楽天内に広告を出せば、確かに来店客は増える。でも、それは利益につながっているでしょうか。

営業利益は10%に満たない不幸

 私がお手伝いしている楽天ショップは、アパレルと雑貨のセレクトショップです。
 有名アパレルの店長だったA子さんが、結婚・出産を機に退職。
赤ちゃんが1歳になり、以前からやりたかったエシカル系のセレクトショップを開きたく、楽天とBaseでオープンしました。
今では、売上の8割が楽天です。

 このお店、私がお手伝いを始めた頃は売上がひと月で50万円。それが今では200万円です。


 ”楽天に出店したセレクトショップが、なぜ、広告費ゼロで月間200万円の売り上げを上げるようになったのか”
 これは、別の機会で詳しくお話しします。

 月200万円を販売し、楽天からは何回も表彰された優良店。一方では、50万円から200万円に売上を4倍にするために、広告は一切使っていない、奇跡の楽天ショップなのです。

 そんな売上だけでは、超優良店なのですが、粗利は40%。経費は楽天手数料と運賃で20%。家賃や光熱費などの販管費が10%ちょっと。営業利益は平均7~8%なのです。

 月に200万円売上を上げても、手元に残るのは15万円前後なのです。

つまり、商品仕入れ、販売、ページ作り、登録、受注、出荷、配送、集計・・・・毎日頑張って運営しても、月に15万円しか、手取りがないのです。

 広告費ゼロで、売上を200万円まで上げた、奇跡のショップですらこんな経営状態なのですから。


「売上を上げ、拡大する」という、悪魔のささやき

 A子さんのお店では、売上が30万円を超える頃から、ワンオペでは限界がやってきました。
 商品の仕入れ、ページの登録、バナーの作成、受注、発送・・・ワンオペで継続するのは無理で、週4日受注・発送の仕事を手伝ってくれるパートさんを雇いました。
 パートの経費は月に7~8万円。このパートさんと二人で毎日仕事をこなすうえで、売上の限界は200万円です。
 
 私は「これ以上売上を上げるのはやめましょう」とアドバイスしました。
売上は150~200万円をコンスタントにだして、利益を出しながら、人として余裕がある生活ができるショップ運営に転換することを提案したのです。

 大企業の場合、売上を拡大することにより、効率化が進み連動して利益も増えます。
 中小企業や個人事業の場合、売上が大きくなれば単に事業者が忙しくなり、人を雇うことにより、利益が減るケースが大半なのです。
 身の丈にあった、売上・利益を見極めることが大切なのです。






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