あいだ通信 no.5:竹取(物語のトポス)
立夏を迎えた皐月のこと。野山にまじりて竹ではなく茸を採っていたところ、芳醇な香りを漂わす竹一本ありけり。あやしがりて寄りてみるに、ぶくぶくと泡を立てている。それをよく見れば、水を張った竹筒の中で酵母菌がアルコールを醸し、いと生々しく輝きけり。
居合わせた仲間たちと「天然の酒樽だ〜」と騒いで喜び、その場を楽しんだ。そして、山を下りながら「竹取物語を最古のサイエンスフィクション[SF]として面白がっているだけではどうも見落としものが多いかもしれない」ことを感覚的に捉えはじめてい