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教壇に立ち続ける ⑰ 中学国語の教材研究そのさん【note限定記事】

大量の在庫と共に暮らしています。どうも星野です。皆さんお花はお嫌いですか……? 女性向けですがプレゼント用、自分へのご褒美などにぜひ私のminneの作品を……よろしくお願いします、このままでは全部廃棄ですほんとうに。よろしくお願いします。1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。サポートでもいいんですよ!?
今日のテーマも引き続き教材研究です。題材は中学国語の詩歌、北原白秋の「落葉松」と茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」。先日のツイキャスで話題になった、和歌と現代詩の比較は可能かという話もしたいと思います。

北原白秋も茨木のり子も有名な詩人ですね。ですがたぶん中学生で知っている生徒はほぼいないでしょう。初見のものとして扱い、どんな想像を広げてくれるかを楽しみに授業を展開したいと思います。対象は、最初の「未来」(谷川俊太郎)で「連」という詩の構成を学び、漢詩で「反復法」「対句」などの基本的な技法を学んだ生徒たち。詩歌の読解に慣れてきたところです。
「落葉松」の特徴は文語の詩というところと、七五調で耳に心地よい良いリズムにあります。多少聞き慣れないことばも出てくるのですが、その都度解説を入れることでわりとスムーズに読めるようになるのではないかと考えています。一方「わたしが一番きれいだったとき」は口語詩で、音数の統一はありませんが、「わたしが一番きれいだったとき」というタイトルの反復がじわりじわりと効いてくるタイプの詩です。戦争という理不尽なものに青春時代を奪われた語り手(あえて「筆者」とはしません、作品によって語られる主体だと考えるためです)が、長生きしてもう一度美しさを取り戻そうとする強いメッセージ性を、戦争を経験していない生徒たちはどうとらえるのか、興味があります。
今日は板書を一緒に掲載します。こんな感じになりました。

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今回詩歌を扱うにあたって、重視したのは「単元間の連携」です。詩歌を重点的に扱う一学期は、習ったことを生徒が自力で応用してもらうことによって、毎回の授業を主体的な学びの場にしていきたいと考えています。そのため単元ごとのつながりに力点を置いて計画を立てました。今回の二作品で詩歌は終了するので、詩歌を味わう時に何に気を付けたらいいのか、どんな鑑賞の仕方があるのかを学んでもらおうと思っています。
流れは、①詩歌を読んで気付いたことをメモする、②詩歌の解説を聞く、③応用活動、の三段構成です。
①は主に構成や表現の重要な部分に気付いてもらうために行います。自分の力で気付けた内容はきっと記憶に残りやすいと思うので、何度も繰り返し登場した技法を確認する意味でも使えるかなと思っています。基礎固めの段階ですね。
②は主に内容について解説を交えながら自分の解釈をつくりあげていく段階……なのですが、わたくし本日模擬授業をしまして、そのときご指摘を頂いたのが「トークに間がない」ということでした。要は「耳が滑る」というか、記憶に残らずサーッと進んでしまうのです。それでいきなり「はい、考えて」と言っても混乱させてしまうだけだよ、とアドバイスを頂戴しました。そういえば、私はいつもなぜか生徒に指示が通らないのだよなあ……と思っていた原因が分かりました。あまりにマシンガントークだったのです。
閑話休題。元に戻します。
内容について、段階を踏みながら問いかけて答えてもらうという活動を繰り返し、最後の応用に使える読解の指針を体感してもらうのがこの段階です。レベルは標準くらい。ここがクリアできればBはつく感じです。
③はいろいろと活動を考えていて、「落葉松」では前回の漢詩「江雪」との比較で分析した文章を書いてもらい、「わたしが一番きれいだったとき」では筆者の詩に込めたメッセージを自分なりに文章化する、というものです。私はやたらと書かせるので、ここくらいは討論でもいいかもしれませんが、生徒が活発に話すタイプなのかまだわからないので、なんともしがたいところはあります。

今回(ツイキャスで出た和歌とは異なりますが)漢詩と近代詩、現代詩を比較する活動(あるいは連動させる活動と言った方がいいかもしれません)をやってみようと考えているのですが、基本的に教える側が「わからない」と投げてしまうのではなく、きちんと向き合って知識を付けてふたつの関連性を見つけられたら、おそらく生徒もその関連に気付くようになると思うのです。教える側のことばの端々から「ここはもしかして繋がるかも……?」と考えてくれるはずです。そこを架橋するためには教える側の教材研究が必須になりますし、目的意識も必要になります。逆に言えば、それらがあれば古典の世界と現代は繋がる気がしています。だからあのコメントをくださった方に(届くかはわかりませんが)「とりあえず題材を探して研究してみましょうよ、きっといいものはあります」と伝えたいです。

今回はこのあたりで。それでは、また。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。