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2022年2月の記事一覧
Knight and Mist第九章-8 囚われの螺旋
衛兵から服を拝借し、代わりにキラキラマントを着せて。
「よし、準備はいいぞ。上だ」
衛兵姿のスコッティとともに階段方面へ大股で歩き出す。
何やらアンディが大声で騒いでいるのが聞こえる。周囲がなだめ慌てているようだ。
「アンドレア嬢、なかなかの役者じゃないか。この役は彼女にしかできないな」
スコッティが苦笑まじりに言う。ハルカも同意する。
「アンディが助けてくれてよかった。あとはイスカゼ
Knight and Mist第九章-7人生はやりたくないことでできている
「魔導ではない魔術は初めて見たわ。オーセンティックとかいう無礼者、跡形もなくってよ」
アンディが関心したように床の焦げを踏みにじりながら言った。イーディスとレティシアは苦笑い。
「今後はあなたたちのような攻撃にも動じない結界を作らなくてはね。三階分登っての奇襲とは、また無茶な作戦だわ。お里が知れるとはこのこと」
「まあ、うまくいったんならいいじゃねーか」
適当に答えるイーディス。一方レティ
Knight and Mist第九章-6オーセンティックは企むのがお好き
「申し遅れました、私、異端審問院・特別顧問のオーセンティックと申す者。以後お見知りおきを」
オーセンティック、日本人名は深峰戒。どういうわけか魔族の権能を得てオーセンティックと名乗っている。
対するアンディは、扇で顔を隠してしまった。そっぽを向きガン無視体制だ。
「姫君、これはどういうーー」
少し戸惑うオーセンティック。
「私が答えましょう」
言って前に出たのは、キラキラマント一団の隊
Knight and Mist第九章-5ミッションスタート
「それで、どういうことですの!!」
来るなりアンディは応接間のテーブルにバン! と両手を叩きつけた。
異端審問院の代表として現れたのはおかっぱ頭の男であった。
「どういうこととはどういうことでしょう。我ら侍従一族が王家を、ひいてはイスカゼーレ、そして国を守るためにしていることですが」
おかっぱ頭の男は特に感情のこもらない言葉で答えた。
「だから、たかが召使い風情がなんでそんな偉そうなのか