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KnightandMist

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たぶん小説になる予定。今書きためているところです。 あらすじ 浪人し、就活も失敗し、あとがない主人公浅霧遥香。 そんなある日、彼女に異変が襲った。 それは今流行りの異世界転生…
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2021年9月の記事一覧

Knight and  Mist第七章-1 ダンジョン①

Knight and Mist第七章-1 ダンジョン①

「ここから出たとして、誰を信用すればいい?」

壁を調べながらハルカがイーディスに尋ねた。

「あー、俺はここーー魔導大国スループレイナをこれっぽちも信用してねーから、誰も信用できねーな」

「モンドは?」

エルフの森で出会ったスループレイナ貴族の名をハルカは口にした。しばし沈黙。

「ーーだれだっけ?」

「モンド! ミイラ男になってたやつ!」

「あー、モンティか」

「だからモンドだって。

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Knight and  Mist第六章-10フェイク

Knight and Mist第六章-10フェイク

「なっ……!?」

驚きの声をあげて、なすすべもなく倒れ込むイーディス。

「はなしてっ! 何するの! アザナル! だれか! モゴモガッ」

黒ずくめの連中に羽交い締めにされ、もがきながら叫ぶも、むなしく口をふさがれてしまう。

ハルカはサッと目を左右にはしらせた。先ほどまで立っていたはずの警備がなぜかいない。助けを求めようにも、だだっ広い宮殿の前庭に人の気配はなかった。

アザナルが去ったあと、

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Knight and Mist六章-9 王都スループレイナ

「りっぱー!!!!!!ーーーーっいたいっ!!」

城門をくぐったところで広がる景色に思わず声を上げたハルカ。その後ろ頭を殴るイーディス。

「イナカモン丸出しなことするなっ! 恥ずかしいだろ! 堂々としてろ!」

(そう言われてもーーーー)

ハルカとしては、自分が中学生の頃に考えた世界ーーまちが目の前にあるのだ。

妙な感慨が湧き出て、ウキウキせざるをえない。

「おーい、宮殿まではまだまだ遠い

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