彩るための質疑応答
色はいつも近くにある。
絵を描くときも、ものをつくるときも。
でも、色に頼り過ぎてはいけない、とどこかで思う。
買ってきた色は、ほどよく整えられていて、私が何も手を加えなくてもとてもきれいなものができる。
それは素晴らしいことだ。
でも、それは私が創った色ではない。
そんなひねくれたことを、どこかで考えている。
そうこうしているうち、どんな色を使えばいいのかわからなくなってくるから厄介だ。
だから色に疲れると、色のない世界に篭りたくなる。
でも安穏としていた無色もまた、あたり前だけれど、色の世界なのだと気づく。
色を決めることはとても難しい。
自然には敵わないな、といつも思う。
持って生まれた色というのは、何者も越えることができないほどの説得力を持っている。
自然はグラデーション。
グラデーションは時間の移ろい。
ゆっくりと変化するさまこそ、生きている描写。
すこしでもそれを模倣したいと思う浅はかさを省みながら、どんな色にしようか、その繰り返し。
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