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Perfect is not perfect.

コンピューターを疑う。
それはじんわりと、目からウロコだった。

画像にテキストを入れる際に、文字と文字の間隔を調整する。
これまでも、ざっくり全体的な広狭を調節することはあったけれど、文字ひとつひとつを見ることはなかったかもしれない。
先日、職場の方にデザインツールの操作法を教えていただいたときの話。
隣り合う文字の組み合わせによって、その間隔はまちまちだから、そこを整えることが大切だと。
おそらくデザインを生業とする方々には常識なのだろうけれど。
キーボードを打ちこんだとき並んだ文字列に、何の疑問も抱かずにきた人間にとっては、不意打ちのような驚きで。

パソコンは正確なプログラムに基づいて、文字を整然と等間隔で並べてくれているものだと思っていた。
しかしよくよく目を凝らしてみるとなるほど、たしかに画面に並ぶ文字と文字の間は寄りがちなところもあれば、心もち距離を置いたところもある。
これは実際にそうなのか、視覚トリックのようなものなのか。

普段、書籍やパソコン画面に並ぶ文章を読みながら、一文字ずつに目を向けることはほとんどないように思う。
ところが、文字列がデザインという絵的な中に入った途端、文字間のわずかな空間ですら、人の感覚の快不快に影響する要素になるのだ。
そんなことを考えながら、研修所時代に受けた図案の講義を思い出した。
器物に絵を描くときに、空間がいかに重要か。
文字もまた、図案なのだ。

オートマティックに便利なことは増えたけれど、人の目に美しいかどうかは人の目が判断すべきこともまだまだあるのかもしない。
日頃流し見しがちなことも、一度凝視してみると、異なるものが見えてきたり。
ちいさな戒めをもらったような気がした。



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