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天花寺さやかさん「京都府警あやかし課の事件簿」6巻の感想です!

おはようございます!上田です。
発売からもうすぐ半年になってしまいますが、天花寺さやか先生の「あやかし課」6巻の感想をまとめたいと思います。


1巻から追いかけている身としては、作品がどんどん人気になっていくのが嬉しくて。そして変わらない、さやか先生の京都への想いにも、作品を通してずっと惹かれ続けています。

では、感想いきます!

第一話 丹後王国と海の秘宝

大ちゃんと塔太郎さん、そしてまさるの葵祭行列見物という微笑ましいシーンからはじまる冒頭。ちとせに戻った大ちゃんは、あやかし課のメンバーに同期である総代くんの最近の目覚ましい力のつけかたについて語ります。

一緒に切磋琢磨する「仲間」ができるのはとても嬉しいことですよね!大ちゃんは総代くんの「お願い」である「絵のモデル」を引き受けるのですが、そのあたりの二人の和気あいあいとした描写が、なんとも可愛らしくて。塔太郎さんに見せる顔と、総代くんに見せる顔は、大ちゃんはどちらも違うんだろうなあ。

一方で、あやかし課での出張(行先は京都府の丹後)が決まります。大ちゃんはほかにメンバーもいるとはいえど「塔太郎さんと一泊」という事実に動揺していて、初々しい…(笑)琴子さんや総代くんも一緒で、仕事とはいえこんな旅楽しくないわけがないですね!

でも、総代くんも運転できるのかぁ…助手席のせてください(こら)

海沿いの伊根の風景描写がとてもすてきで、港町スキーな私としては、ぜひとも実際に見てみたくなりました。新しいあやかし課隊員の花村比奈太、葵兄妹も登場!そして話題にチラチラ出てくる「丹後王国の海の秘宝」が気になりすぎる…

海で自然と距離が縮まっていく大ちゃんと総代くん。塔太郎さんも内心気が気じゃないのでは、と思うけれど、総代くんは総代くんで、塔太郎さんを見つめる大ちゃんの熱い視線、落ち着いてられないですよねぇ(ほんとうにどうなるんだ、三角関係)

そして、狙われる伊根の秘宝と、手ごわい賊「ダユィ水産」に翻弄され、バトルに巻き込まれるあやかし課一同。迫力ある接戦に、アニメなどでも見てみたいな、と思う一方、さやか先生の鬼気迫るバトル描写のすごさも実感します!

幕間 一

ちょ……⁉ この幕間、いろいろ反則すぎません…⁉ こんなん、揺れないわけがない!大ちゃん、どちらの気持ちにも微妙に気づいていないのかなあ…

じれじれ三角関係、見守るときには手に汗握るようになってしまいました。バトルシーンと同じくらいに(笑)

第二話 祇園祭の始まりと化け猫の悪夢

祇園祭の山鉾の、懸想品図録を見て、芸術談義に花を咲かせる塔太郎さんと総代くんを見ながら、微笑んで聞いている大ちゃん。近づく祇園祭の気配が、いやおうなくこの三人の距離もちぢめていくのかもですね。

喫茶ちとせに現れた、聡志は化け猫の月詠を抱いているが、どうやら月詠の調子が悪いという。「祇園祭が狙われる」という悪夢を、月詠は夜な夜な見て飛び起きているようで……

祇園祭の襲撃をたくらむのはもしかしたら奴か、と顔を曇らせる塔太郎。そして大ちゃんは、書類を届けるお役目のついでに、塔太郎と親しい栗山から、彼の昔話を聞くことにと思いきや、敵からいきなり襲われて⁉

凄惨なバトルに読んでいるこっちも血の気が引くくらい……どうも「敵」は相当手ごわいようで、ハラハラしながら読み進めました。

大ちゃんは「いままでまさるありきで戦っていた」ことに気づき、療養しながら「これから」を考え始めます。

栗山くんの「後輩に助けられたら、俺の立場」の一言は、本当に胸がじいんとしてしまいました。ふだんアホっぽい発言ばかりしているのに、いざというときかっこいいのは、ズルすぎないですか……

幕間 二

まさかの総代くん視点…!お見舞いの紅茶の裏にあった、塔太郎の想いと総代の想い。複雑な気持ちをふりきるようにして、自身の恋を改めて大切なものだと思いなおす総代くんが、なんだかいとおしくなりました。

「第三話 在りし日の宵山と青龍の追憶」「第四話 塔太郎の願いと大の目覚め」については、読む人の楽しみを奪ってしまわないように、ここでの感想は控えます。が!

祇園祭襲撃計画の全貌がわかっていくと同時に、祇園祭の準備の様子も描かれていきます。ほんと、自分の街以外のお祭りのことはよく知らないから、読んでいるだけで楽しいし興味深い。

総代くんが、塔太郎さんを案じる大ちゃんの気持ちを察して、あたたかい励ましをしてくれるのはなんだか気持ちがぎゅっとします。

そして明かされる、塔太郎が語る自分の過去のこと――。ひとが歩んできた道には、守ってくれるひと、近くにいてくれるひと、そんな多くのひとに支えられているんだなってことが読んでいて伝わって来て、涙腺がゆるみました。

そして、大ちゃんが塔太郎さんに語る祇園祭にこめられた祈りのこと。京都でつながれてきた願いや想いのことを私も知ることができたようで、あやかし課シリーズは京都の伝統や歴史も含めて、大切に尊重するさやか先生の筆だからこそ、こんなに愛される作品になっているのだと感じました。

以上、6巻の感想でした!

大変楽しませていただき、さやか先生ありがとうございました。
お体を大切に、ますますのご活躍を楽しみにしています。

いままで書いた感想文を一挙掲載!

あやかし課、コミック1巻も発売されています!

ますますこの先が楽しみですね!

では、また7巻発売のときも、こうしてnoteを書きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします!




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