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二月の星々(140字小説コンテスト第2期)応募作 part2

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月ごとに定められた文字を使った140字小説コンテスト。

今月の文字は「並」。

2月28日までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、過去のコンテストなどは下記をご覧ください)

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(不定期でマガジンメンバーの記事が配信されることがあります)

応募作(2月5日〜11日・投稿順)

上記作品はハッシュタグが検索に反映されず受付漏れとなっていたため、本記事での掲載とさせていただいています。

ケロボン(サイトからの投稿)
数式に意味なんてないと思っていた。ただ問題を解き、教科担当に答えを見せ、回答の正答誤答で切り落とされる。
だが、その並びに快感が隠れていることを知った。勿論、悔しさの方が割合は多いが、それを乗り越えるのが楽しくて仕方ない。

すーこ(サイトからの投稿)
凍てつく空気が肌を刺す。悴んだ指先に白い息を吹き吹き駅へと急ぐ。
「ひゃっ」
頬に温かい何かが突然触れ、仰け反る。
「おつかれ」
鼻を赤くした先輩が缶ココアを当てていた。楽しげに喋る先輩につられ、会話が弾みだす。今日に限って信号は軒並み青。
別れた後も、缶の温もりが心身を暖める。

すーこ(サイトからの投稿)
「雛人形だ。毎年お雛様とお内裏様みたいに並んで写真を撮ってもらったよね。たっくんが恥ずかしいからって撮らなくなったんだよね」
「昔の話はいいよ」
頬を染めたたっくんがそっぽを向く。
「あれ、買うか」
「気が早いよ」
お腹の子が女の子だとわかって喜んでいたのは、私だけじゃなかった。

すーこ(サイトからの投稿)
この景色は、俺だけの宝物だった。真夜中の山から見る地元の街並みは、昔見ていた頃から少しずつ変わっていて、変わらない灯りもある。
ーーなあ、勇気をくれないか。今日、初めてこの景色を見せたいと思った相手を連れてきているんだ……
手の震えを抑え、助手席の扉を開ける。
「さあ、行こうか」

すーこ(サイトからの投稿)
明日は午後から三度目のデート。明日僕は、告白する。星空の綺麗な所で告げるべく車のガソリンを満タンにした。彼女の防寒グッズの準備も万端だ。でも肝心の言葉が浮かばない。月並みな表現ばかりが頭を巡る……
目覚めると太陽が高く上っていた。車を飛ばしながら、僕はなおもメローな台詞を考える。

すーこ(サイトからの投稿)
白梅が咲き乱れる並木道を歩く。花弁がはらはらと舞う様子が、あの雪の夜と重なる。
ーーやけに冷えると思っていたら雪が降りだした。財布を忘れたからバスには乗れない。
「これどうぞ」
「え?」
「寒そうだから」
そう言って手袋を押しつけた君が、こうして隣に並んでいるなんて、夢みたいだ。

紅之下(サイトからの投稿)
並盛すら買えない。財布の中身は百五十円。君へのプレゼントを弾んだからだ。今日は、バレンタインデー。海外では、『愛を伝える日』。僕にその甲斐性はない。だから、頑張った。逆チョコレートで、頑張った。ホワイトスノーが背中を押す。頑張った。頑張ったんだ。プレゼント。

紅之下(サイトからの投稿)
並木敷き。君はこの世の清涼剤。傷んだ心の柑橘系。僕はすっかり落ち込んで。だから君が眩くみえる。だから、映え映え、君をみる。もう少し、砕けて話したい。でも、上手くいかない。だって僕は、眼中外。それがわかってしまうから。並木敷き。並木敷き。嗚呼、いつ、如何なるときも。

紅之下(サイトからの投稿)
並行時間に在したい。君の隣は他人のもの。輪の中央に座る君。輪の外れには、ひとりの己。でも気付けない。気付きたくない。その笑顔は、僕には向かない。さっき、少し、辛そうだった。並行時間に座りたい。それだけ、君を信じてる。それだけ、君を想ってる。嗚呼、的外れなのにね、と、僕。

紅之下(サイトからの投稿)
あの夏に忘れた『本当の』自分。いまから、それを『取り戻す』。『いつだって』現実は『過酷』だ。だけど、もう立ち止まるわけには、いかないんだ。目の前には、平行棒。それも『あの夏』に靭帯を断裂した、あの――。僕は、もう一度『宙を舞う』。並み居る強豪を討ち果たした『あの夏』のように。

紅之下(サイトからの投稿)
並行輸入品には、特に時間をかける。それは、やっぱり『大切だから』。人並みではない。しかし、念入りにチェックを済ます。私の職業は、アパレル関係。しかし望んだ『未来』ではない。いまだからこそ、いえる。『大切』なのは、『心』があるから。この子たちの『未来』を祝って。いま、私は――。

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