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二月の星々(140字小説コンテスト第2期)応募作 part3

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月ごとに定められた文字を使った140字小説コンテスト。

今月の文字は「並」。

2月28日までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、過去のコンテストなどは下記をご覧ください)

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(不定期でマガジンメンバーの記事が配信されることがあります)

応募作(2月12日〜18日・投稿順)

あかいあとり(サイトからの投稿)
やってしまった。慌ててポケットを探っても、小銭はもちろん入っていない。ちらりと後ろを伺えば、モアイのようないかつい列。おねえさん、これつこてや。並んだ石像の中にはおばちゃんという名の天使が混ざっていた。私は駐輪場から解放された。

なつ(サイトからの投稿)
私はこの道を歩いている。この道を私は歩いている。歩いている私はこの道を。全てが並行している。どの道の私も何処かしらに在る。全てが本物だ。選んだ道を並んで歩く。それは、もう決して交わることは無い。それでも、無いのではない。全て其処に在って、全て此処に在る。無くなりはしない私の道だ。

なつ(サイトからの投稿)
「ではよろしくお願いします。」通話を切って一息ついた。こういうのは思い切りが肝心だ。朝一番に電話をかけた。長く連れ添った訳ではない。それでも心細い日々を支えてくれた。それでもなのだ。並んで道を歩くには。薄情かな。言い訳だね。それでも。その時まで今はまだ側に在る木の温もりに触れた。

あかいあとり(サイトからの投稿)
軽い疑問を口にするたび、自慢げに知識を披露するところが嫌。調べたくせに。買い出しのたび、心配だからと運転席に乗り込むところが嫌。暇人め。けれど一番嫌なのは、大黒柱だからと笑って地獄の職場に行くところ。ひとりで泣くくらいなら行かなくていい。
守らないで。あなたの隣に並んでいるの

だい(サイトからの投稿)
赤ら顔の先輩は目の前のグラスになみなみとお酒を注ぎ、「まぁ飲めよ。」と言った。下戸を自称する僕はお礼を言うも、逃げるように横に座る同僚に話を振った。「すぐ飲まなきゃ。分かねぇかな。」とその先輩は言い、一瞥して席を立った。
並並の僕は、まだ炭酸飲料を好む自分に少しだけにやけた。

葉月 巫女(サイトからの投稿)
夏の夜。私はこっそりと家を出た。向かう先は、学校の裏側にある公園。暗い街の中を、静かに駆けた。公園に着くと、友達が手を振っていた。「ごめん。始まった?」「まだだよ」「良かった」私は、友達の隣に並んで、空を見上げた。その瞬間、夜空に大量の星が降ってきた。今日は、流星群が来る日だ。

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