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八月の星々(140字小説コンテスト)応募作 part2

part1 part2(本記事) part3 part4 part5 結果速報

月替わりのテーマで開催する140字小説コンテスト。

【8月のテーマ】
作中に必ず『影』という文字を入れる。

8月31日までご応募受付中です!

投稿作品(8月8日〜14日)

8月8日〜14日にご応募いただいたものをpart2として投稿順に掲載しています。

ヒトシ(サイトからの投稿)
「影の濃い人」
田舎に帰るたびにじいちゃんは、影が濃くなったな、と俺を褒めた。誰かのために汗水流して働くと、人は影がだんだん濃くなってくるんじゃ。自分ため、我欲のために働いてもそうはならん。おまえの影はいい影じゃ、と。お社の大きな木が作るひときわ濃い木影にじいちゃんの面影を想う夏。
タナカ(サイトからの投稿)
私は私の影が好きだ。従順で、黒の海に揺らめいた綺麗で無知なこの子が愛しい。一緒に乱れて、ぐちゃぐちゃの感情に溺れてくれる。
「孤独だね。」
他人Aがそう言って泣いてみせるけど、無責任な涙がヒーローみたい。
「そうなの、私たち、孤独なの。だけど、孤独しか知らないから、寂しくないの。」
東郷ペンチ(サイトからの投稿)
夕陽に背を向けてぼくらは寄り添った。別々だった影はひとつに。ぼくらは別々のままだけど、そうじゃなきゃ寄り添えないから、これでいい。ぼくらはここにある境界線を、そのあいだにある距離を、愛している。影みたいに溶け合わないように、ぼくらはずっと確かめ合うんだ。ぼくときみの違いについて。


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