コウタロウの現実逃避

最近感動していない
夕焼け雲の美しきをみても
ただむなしいだけ

こんなに想っているのに
何一つ感動しない

まぶたの奥の貯水池には水が1滴もない
一体いつどこでぼくはあんなに大量の涙を流したろう
そして今なぜこんなにもぼくの目は死んでいるのか

朝日を待つ小川のせせらぎ
その水面には、ぼくの姿は映っていない
内側の 途方もなく 
深い深い暗闇の中に紛れ込むのであろう

しかし 幸いにも一つだけ希望があった 
光ではなく
ぼくの中の暗闇を通り抜けたところが 
ああ
あの神聖な貯水池につながっていた 
そこには溢れんばかりの歓喜の涙が貯めこまれ、そこには間違いなく、 
自分自身の本当の姿があったのだ

「感動」という名の素朴で深い言葉の意味を
知るのである

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