マザコンの現実逃避【マザコンの現実】

マザコンは南国へ飛び立った 
飛行機に乗る直前。
搭乗ゲートへ入る前の、母と私の僅かな時間の輝く抱擁。
この瞬間さへ 
わたしは南国へ呼ばれているのだ

一歩、一歩とゲートへ進む、むすめを見守るわたしの母君。
ああ、尊敬すべきお人が、みえなくなるまでわたしをみている
頬の感触、手の感触、腹の感触、服の感覚。
すべてがわたしの記憶にはりつき 
とってもさみしい
ああ もうあんなにとおく・・。

顔のパーツひとつひとつが消えてって、
のっぺらぼうの母君。
そんな遠くから、かすかに感じ取る私の母君のすがた。
ちいさくて、神々しきわたくしの母上。
次に会えるときはいつなのか。
きっともうすぐなのでしょう。

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