ロマンスの現実逃避24
はじめて幸せが怖いとおもった
半月の夜
2人の間では満月のように
満ちていて
欠けたところは何もなかった
ううん
欠けていたり穴が開いていたり
不完全だったのかもしれないけど
見えなかっただけで
全部がおだやかな光で包まれていた
何を話していても
ことばを通り越して
心の奥の奥の奥に
溶けて溢れていった
それでも
決して過激ではなくて
音もなければにおいも
形さえもなくて
穏やかさだけが
広がっていた
いつも意識できていないのは
満たされすぎているから
幸せという言葉すら忘れるほどに
溶け込んでいたから
それにふと、気がついてしまった
初めて幸せが怖いときづいたんです
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