ロマンスの現実逃避20
あなたに出会ってから、
私は素直にならざるを得なくなりました。
以前なら、自分の気持ちだけは、なかなか
言えませんでした。
だけど、あなたの前だとなんだか
自分を表現せずにはいられないのです。
ことあるごとに
愛の渦が私に近づいてきて
取り囲むのです。
今、伝えなさいと。
ことあるごとに
私に舞台が用意され、
愛を叫びなさい、と演出家に命令されているみたいです。
それでも演じることは苦手なので、
仕方なく、台本通りにはいかない人生なのだと諦めて、わたしは即興で自分を表現することにしたのです。
どんなにか不器用で、みじめか知れませんが。
あなたは、そんな私を、どんな私も
笑って迎えてくれるので、
かえって、不安にもなるのです。
本当にこんな自分のままでいいのかと。
それでも、日々を生きていられるのですから、それに越したことはありません。
あなたが隣にいてくれるのなら、
きっとささいな悩み事も、大したことはないのでしょうから。
これからも、きっと…。
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