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学校教育に決定的に欠けているものの一つ ⑥  壁にぶつかった時にこそ、乗り越えられる力を身に付けること

何年前になるでしょうか?

容姿端麗で高学歴から、一部上場の有名企業に採用されたお嬢さんが、様々なハラスメントと過重労働により、わずか数ヶ月で自死を選んでしまったというニュースが流れました。

一概には言えないことですが、「申し分ない高学歴と経験値」は、そのお嬢さんの壁を乗り越える為には、何ら役に立たなかったことは、悲劇としか言いようがないし、今の学校教育の問題点を浮き彫りにした事例と言えるでしょう。

老若男女、どんな人でも生きていれば必ず何らかの壁にぶつかります
それがとてつもなく高くて堅牢な壁であることも、そう珍しいことではないでしょう。
そんな巨大な壁に対しては、当然何の解決策も見当たりません。文字通り「絶望的」でしょう。
そんな時、人は己の不運を嘆き、時には生きていることからさえも逃避しようとするのかもしれません。

しかしです。

まず「お手上げで、まったく何の打つ手も無し」という時には、こう考えて欲しいのです。

『 かならず、こういう問題を解決するためのアルゴリズム(ここでは解の公式)があるはずだ!
さてそのアルゴリズムは何だろう?
 』と。

適切な例えではないかもしれなませんが、アメリカの月面着陸計画において、アポロ13号は予測不能のアクシデントに見舞われ、クルーの地球帰還は絶望的と思われました。

着陸船が地球の大気圏に再突入する場合、分厚い大気が障壁となります。角度が浅いと再び宇宙へとはね返され、厚いと摩擦で丸焼きとなってしまいます。

計算した結果、その突入可能な角度は360度のうち、2度しかないというのです。
いわば、表と裏に1度ずつ。確率は180分の1。

結局、13号は無事地球へと帰還するのですが、言い換えれば、『どんな困難と思われる問題にも180個のプランのうち、1つは成功する可能性があるのだ 』ということです。

つまり、どんなに絶望的な問題にも、ちゃんと乗り越えるための方策(アルゴリズム)があり、それを試せ!それこそが「生きること」なのだということ。

学校教育において、こういうことを具体例を示して、一問一答式に教えることはまずできません。
できることは、こういう「考え方」「思考の仕方」のみです。

児童生徒の年齢や経験値に置いて、こういった「考え方」を地道に機会をとらえて伝えていく必要があると思うのですが、こういったことは勿論指導要領にも目標にも掲げられておらず、教師の個人的な人間性にわずかに期待するしかありません。

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アポロ13号の予期せぬアクシデントでは、経験値が浅く高学歴では無いがサポート・クルーに抜擢されていた若きポピー・ノースカットが、思わぬ力を発揮しクルー生還プランを計算してみせました。
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