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自分のためじゃない、相手のために。(映画「それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル」を観て)

今週末、4歳、1歳の息子と一緒にアンパンマン映画を鑑賞した。

あまり期待していなかったのだが、思ったよりも良くて、映画終わりにちょっとだけ泣いてしまった。(2021年公開の前作「それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国」は、特に感動しなかったのだけど)

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物語の主役は、北川景子さん演じるドロリン。オバケタウンに住む男の子だ。

オバケタウンの住人は「変身できる」という特徴を持っている。サーカスの象、楽器、コーヒーカップなどに自在に変身できるという設定だ。だがドロリンは、猛特訓するもなかなか変身が上手くいかない。序盤ではトラブルも起こしてしまい、オバケタウンから逃げ出してしまう。

そんな彼が、アンパンマンを始めとする友達と一緒に過ごすことによって、最終的には見事に変身ができるようになるという話。(いわゆる少年の成長物語であり、鑑賞する子どもたちはドロリンに自己を投影するのだと思います)

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変身ができない。その原因は何なのか。

ドロリンは「自分には才能がない。だから魔法の杖である『まっくろマント』を手に入れるしかない」と思い込んでいる。

だが、それはどうも違うようだ。ピンチのときにそばにいる仲間を鼓舞するホラーマンや、常に仲間想いのクリームパンダ。

アンパンマンも小さい頃のエピソードを語り「誰かの笑顔が見たいって思ったら、力が湧いてくるよ」とアドバイスをする。そのときドロリンは初めて気付きます。「そもそもなんで僕は変身がしたいんだっけ?」と。

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つまりそれは、

・自分のために頑張る
・他者のために頑張る

という違いだったのだ。それまでのドロリンは「変身ができないと恥ずかしい」「仲間から馬鹿にされてしまう」といったネガティブな感情がモチベーションファクターだった。

アンパンマンと話した後で、オバケタウンはバイキンマンによって壊滅の危機に陥ってしまう。「みんなのために頑張らないと!」と思ったドロリンは、ついに立派なドラゴンに変身する。非力な自分は何ができるのかを考え、そのときのベストに沿った行動ができるようになっていた。

すごくざっくりいうと、利他の精神。

みんなに楽しんでもらいたい。みんなが楽しいと自分も楽しくなれる。

ドロリンが、そんな好循環に気付けたことに、たぶん僕はホロっと涙してしまったのだ。62分という短い映画なので、小さなお子さんも飽きずに楽しめると思います。

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本作で興味深かったのは、脇役であるホラーマンとクリームパンダが活躍していたこと。特にホラーマンの「笑うとハッピーになれますよ!」という言葉は良かったです。(確かにホラーマン、いつも笑ってますね)

映画に行かれた方は、パンフレット購入も併せてお薦めします。パンフレットには物語の内容がそのまま載っていて、絵本の代わりとしても使えるからです。(600円なので絵本よりもお得だし、映画の余韻を子どもと味わうことができます)

(映画館で観ました)

(アンパンマンについて、3年前に書いたnoteです)

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