「ドント・ルック・アップ」で散々語られたモチーフ、再び。(Netflix配信作品「終わらない週末」を観て)
Netflix年末恒例の終末シリーズ。
他国の侵略を受けたアメリカの崩壊を描くことで、経済的&文化的(そして現在は政治的にも)アメリカが世界で孤立しつつある姿をメタファー的に風刺した作品である。
「終わらない週末」
(監督:サム・エスメイル、2023年)
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ぶっちゃけ、「説教くさい作品」だなと思った。
カメラを至近にしたり、望遠にしたり、印象的なショットをつないでいく演出に映画ならではのカタルシスを感じるも、登場人物たちの台詞があまりにも「やり過ぎ」でたびたび興醒めしてしまった。
「曲線が一定のときは調和が保証される。上下するときは何かがあるんだ」
「頭のいい顧客でも多くの金を失う。先入観を認識するのは難しい。身銭を切って学ばなければならない」
「不条理な世界で理に敵うことは、『自らの身を守る』ことだ」
確かに唐突に大型船舶が座礁したり、航空機の墜落が相次いだり、気味の悪い赤い紙片がばら撒かれていたら気もそぞろになるだろう。そんなときに「それっぽい」台詞は観る者に一定の納得感を与える。
でも、
「もうそういうの飽きたよ」
「『ドント・ルック・アップ』で散々語られたじゃないか」
という気がしないでもない。確かに世の中が激変している。アメリカはカルチャー的にいつも先を走っているが、(それこそ)Netflixが隆盛する中で非英語圏の作品もどんどん注目されている。「Keep America Great!」を標榜する滑稽さを風刺しているようで、メタ的な視点からみると、「終わらない週末」こそ時代遅れなんじゃないかと思えてくる。
不穏な隣人の訪問は、M・ナイト・シャマラン監督の十八番だ。というか、今年上映された「ノック 終末の訪問者」とほとんど同じではないか。終末を描く作品って、どれもこんな感じになるの?と錯覚してしまうほど、出来栄えには不満を抱いている。
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面白かったのは、無人運転の白TESLAがどんどん衝突してくるところ。
シリアスで絶望を感じるシーンなのに、思わず笑ってしまった。
最初から最後まで言及されたドラマ「フレンズ」。しつこいなと思ったけれど、これだけ徹底されると笑っちゃう。
駄作と思いきや、けっこう優秀なコメディ作品かも。利己的で思い上がりの激しいルース(演:マイハラ・ヘロルド)の無能さも存外可笑しい。「嫌なやつだな」と思ったけれど、愛せるかもしれない。
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あまり難しく考えず、さらっと鑑賞することをお勧めします。
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