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楽しみながら消費について考える(ミートフリーマンデー)

ミートフリーマンデーは、2009年にポール・マッカートニーさんが発起人となり始まったキャンペーンだ。加速する地球環境変動を少しでも緩やかにするために、週に1回は「肉を食べない」日を作ろうというアイデアだ。

実際にベジタリアンやビーガンは増えている

アメリカでは2010年代に入りビーガン人口が6倍に増えている(*1)。欧米を中心に菜食志向が増え、都市部のレストランの多くは、当たり前のようにベジタリアンやビーガンに向けたメニューを揃えているそうだ。

実際に「vegan newyork」と検索してもらえれば分かる。

彩り豊かななメニューがヒットして、菜食主義=ストイックというイメージからはかけ離れている。ライフスタイルに応じて、日々の暮らしに自然と菜食志向がフィットしているのだ。

東京都庁の職員食堂には「ベジ・メニュー」がある

東京都庁では2018年9月より、職員食堂で「ベジ・メニュー」の提供をしている(*2)。ポール・マッカートニーさんと小池都知事が対談したことが、導入のきっかけになったそうだ(*3)。

コロナ禍で状況は変わったが、インバウンドの好調により訪日客が増えていた。訪日客のうち、ベジタリアンかビーガンは約5%にあたる約150万人で、市場規模は468億円と推計されている(*4)。

ビジネス起点で、ビーガン向けサービスが盛り上がるのは日本らしい。もはやベジタリアンやビーガンはマイノリティをフォローするための「サービス」ではないということなのだ。

普段の暮らしで消費を考える工夫

さて冒頭に立ち返ろう。

そもそもミートフリーマンデーは「ビーガンを増やそう」というキャンペーンではない。あくまで問題意識は環境問題にある。

「環境に悪いから肉は食べないようにしよう」というのは、正論だけど痛みを伴い、個別の行動変容には繋がりづらい。つまり「日常的に肉を食べる」人が大多数である以上、環境に配慮するための仕掛けは別に必要なのだ。

そう考えたとき、ミートフリーマンデーのような「きっかけ」は手頃なのかもしれない。

「今日はお肉を食べない日だよ〜」
「こんな素材で、こんな料理を作ってみたよ〜」

家族と楽しんだり、Instagramにアップしたりと、日常の生活に取り込みやすいものではないだろうか。

僕も普段から料理をするが、「肉を使わずにどんな料理が作れるのだろう(そしてその料理は家族に喜んでもらえるのか?)」と考えるのは、なかなか楽しかった。

ミートフリーマンデーを設けることで「日常的に肉を食べる」意味も変わってくる。そんな風にして、徐々に行動変容を促せたらOKだ。

何となく消費している日々の営み。だけどそれは浪費に繋がっているかもしれない。だからこそ、日々をちょっとずつ見直す工夫が必要で。ミートフリーマンデーには、優れたアイデアが詰まっているのかもしれない。

参考リンク

*1 ビーガン人口が6倍に増加?ベジタリアンなどの世界菜食トレンド推移(TokyoVegan HPより)

*2 都庁職員食堂 ベジ・メニューの開始について(東京都 HPより)

*3 小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成31年1月11日)(東京都 HPより)

 *4 ダボス会議もビーガンに ビーガンではない記者が食べて思ったこと(NEWS SALTより)




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