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『非営利組織の経営』P.F.ドラッカーを読む

『非営利組織の経営』P.F.ドラッカー著
上田惇生訳
ダイヤモンド社 (2007.01.26)

▶ 従来(1950年代まで)非営利組織にとってマネジメントと云う言葉は、決して適した言葉ではなかったようです。

▶ 近年、非営利組織の活動からマネジメントと云う言葉が注目され出しました。

具体的な課題は
1) 寄付者を参画者にする
2) あらゆる人に絆としてのコミュニティと目的の共有を与える

貢献 = 満足度の向上

まえがき pp.7〜11.より

【ダイヤモンド社/ブックレビュー】

第一部 ミッションとリーダーシップの章を読んでみる

§ ミッション

個人のミッション:組織への貢献に求められる役割

企業のミッション:社会への価値創出に求められる役割

ミッションは行動本位

リーダーが初めに行うべきは、自らの組織のミッションを考え抜き、定義する ことである。p.2

ミッションは行動本位たるべきものである。さもなければ単なる意図に終わ る。ミッションとは、組織に働く者全員が自らの貢献を知りうるようにするも のでなければならない。p.4

ミッションの具体化

ミッションそのものは永遠のものでよい。しかし、目標は具体的でなければならない。p.5
仕事は、ひとつ追加したならばひとつ削除しなければならない。人はそれほど 多くのことができるはずがない。p.5

ミッションの三本柱

重要なことは強みによる成果である。なすべきもののうち、うまくいっている ものをさらにうまく行わなければならない。
第1に問うべきは、機会は何か、ニーズは何かである。
第2に問うべきは、われわれの強みにあっているかである。
第3に問うべきは、心底価値を信じているかである。
pp.6〜8.

§ イノベーション

変化は機会

暴風雨を予期し、先手を打たなければならない。それがイノベーションであ る。倦むことのない刷新である。p.9
イノベーションの大前提は、変化は脅威ではないという認識である。変化は機 会である。p.12

イノベーションを成功させるために

まず初めに、機会が見えるようにしておかなければならない。窓の外が見える ようにしなければ何も見えない。p.13
新しいものを担当する部署の位置付けは、独立した部門として組織しなけれ ばならない。p.14
新しいものには、それに惚れ込んだ人間のコミットが必要である。本気の人は パートタイムではやってくれない。p.16

§リーダーを見つける

第1に、その人が何をしてきたか、何が強みかを見る。
第2に、組織が置かれている状況を見て、組織のために行うべき重要なことは 何かを考える。
第3に、真摯さを見る。
pp.17〜18.

リーダーの役割

優れたリーダーは「私」とは言わない。意識して言わないのではない。
いつも「われわれ」と考える。チームを考える。責任を引き受け、逃げることをしない。成果は「われわれ」のモノとする。p.21

リーダーとしての能力

1) 人のいうことを聞く意欲、能力、姿勢である。
2) コミニケーション/自らの考えを伝え理解してもらう意欲。
3) 言い訳をしない
p.23

リーダーは自らつくりあげる

人を組織に引きつけるものは高い基準である。高い基準だけが誇りをもたら す。
p.24
リーダーをつくりあげるものは仕事である。リーダーとは仕事を通じて自ら つくりあげるものである。p.26

バランスをとる

リーダーの重要な仕事
個別的な問題と全体的な問題、短期的な問題と長期的な問題など、2つのモノのバランスをとることである。p.27

非営利組織のマネジメントには、常にバランスの問題が伴う。p.28

リーダーがしてはならないこと

決定する前には人と相談しなければならない。議論したり参画させたりしな ければならない。
リーダーは後継者を自分ひとりで選んではならない。どうしても20年前の自 分に似た者を選びたくなる。
してはならないことの最後は、手柄を一人占めすることである。リーダーと は、部下や同僚に責任を持つ存在である。
pp.30〜32.

リーダーの責任

―人の可能性を引き出す pp.43〜45.
できることは、人がすでにもっているものを伸ばすことである。もっていない ものを伸ばすことはできない。
リーダーには、そこに働く者に機会と仕事を用意する責任がある。
リーダーの定義はついてくる者をもつ者。リーダーは未来志向でなければな らない。

機会を提供する pp.45〜48
今日働く人たちにとって最も重要なものが機会である。自己実現の機会であ り、意味あることに関わりを持つ機会だ。
失敗しても第2のチャンス、第3のチャンスを与えることだ。挑戦してこない 者は放っておく。

チームづくり pp.48〜49.
1) 自分たちの仕事が何であるかを理解するこ と。自分がしなければならない仕事は何かを知らなくてはならない。
2) 人を配置すること。
リーダーの姿勢が大切。変化にどう対応できるか。もめごとにどう対処できる か。関係者のニーズにどう応えられるか。

リーダーとしてのアクションポイント

1) 繰り返しミッションを見直していく必要がある。
人口構造の変化
2) 長期目標からスタートする
3) 成果を中心に据える
4) 組織の模範となる
5) 市民社会をつくる
pp.50〜56.

Part1ミッションとリーダーシップより
pp.1〜56.

2021.10.25.

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