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経済学の科学性と非科学性

規則性のある科学的な側面と、人が関わることによる非科学的な側面のある「経済学」を考えてみる。

『経済学に何ができるか』猪木武徳 著
中公新書 (2012.10.25)
【はじめに】より

人間は、両立しえない二つ(もしくは二つ以上)の欲求を同時に満たそうとすることがある。
同時に相矛盾する二つの心情を持ち、その双方を受け入れることが出来る。p.ⅲ より

経済学も理論を云々するだけでなく、現実の問題に即した発言をしなくてはならない局面がある。p.ⅳより

論証 (demonstration)
主張 (assertion)

経済制度や慣行を歴史的な流れの中で捉え直すと、何かが見えてくる。p.ⅴ

【目次】より

第一部 自由と責任
§1 税と国債
§2 中央銀行の責任
§3 インフレーションの不安

第二部 平等と偶然
§4 不確実性と投資
§5 貧困と失業の罠
§6 所得格差がなぜ問題なのか
§7 学問の自由と知的独占
§8 消費者の倫理を考える

第三部 中庸と幸福
§9 中間組織
§10 分配と交換の正義
§11 幸福 GDPを補完するもの

終章 経済学に何ができるか

終章) 経済学に何ができるか より

【順序の大切さ】
物事には順序があり、作業には目に見えるものと見えないものがある。
経済学:前準備と土台のための知識。これらの知識を理解して、現実の経済問題を考える。p.222

【経済学の役割】
この本の目的「経済学に何ができるか」
経済学は、社会の経済問題に一刀両断に明快な答が与えられるものではない。
経済的な側面に限定してメスを入れるだけでなく、その根源や成り立ち、そして全体的な姿に迫りながら議論を重ね、何らかの合意に達する道を探る。
pp.224〜225.

【半歩遅れの読書術より】 2022.01.13.

2022.02.16.

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