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『コミュニティ・オブ・プラクティス』を読む


コミュニティ・オブ・プラクティス(実践コミュニティ)とは

あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団のことである。

【実践コミュニティは】

太古の昔から続く、知識を核とした社会的枠組みであるが、組織がより意図的かつ系統的に知識を経営に活かすこと、つまり古来の仕組みに加え、ビジネスで新しく中枢的な役割を担わせることが必要になっている今、熱く注目されている。【表紙カバーより】

先日、古書店で目に入った1冊
興味深かったので、カジッてみる事に(笑)

『コミュニティ・オブ・プラクティス』
Etienne Wenger Richard McDermott
William M.Snyder
野村恭彦:監修 野中郁次郎:解説
櫻井祐子:訳 
翔泳社 (2002.12.17)

【翔泳社公式サイト】

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798129280

【内容】

序章

第一章 実践コミュニティについて

今なぜ必要なのか
・実践コミュニティとは何か
・グローバルな知識経済で成功するための鍵
・知識の特性:経営上の挑戦
・実践コミュニティを育成する
・多様な価値を創造する
・「二重編み」の知識組織がやって来た

第二章 実践コミュニティとその構成要素

・実践コミュニティにはさまざまな形態がある
・構成モデル:「領域、コミュニティ、実践」
・モデルの意味するもの

▶ p.82「実践コミュニティと その他の機能との比較」

・コミュニティ開発の指針として実践的なモデル
・結論

第三章 実践コミュニティ育成の七原則

1) 進化を前提とした設計を行う
2) 内部と外部それぞれの視点を取り入れる
3) さまざまなレベルの参加を奨励する
4) 公と私それぞれのコミュニティ空間を作る
5) 価値に焦点を当てる
6) 親近感と刺激を組み合わせる
7) コミュニティのリズムを生み出す
・結論

第四章 発展の初期段階

実践コミュニティの計画と立ち上げ
・コミュニティの発展段階
・第一段階:潜在
▶ 重要な役割:コミュニティのコーディネーター p.131

・第二段階:結託
▶ コア・グループのメンバーの間に繋がりをつくる p.142

・結論
▶ 各段階に つきものの 緊張関係を乗り越える手伝いをする

第五章 発展の成熟段階

実践コミュニティを成長させ、維持する
・始導から維持へ
・第三段階:成熟
▶ 有用な役割:コミュニティの司書 p.161

・第四段階:維持・向上
▶ 新しい指導者層を育む p.167

・第五段階:変容

・結論

第六章 分散型コミュニティという挑戦

・分散型コミュニティの重要課題
・グローバル・コミュニティにとっての領域、コミュニティ、実践
・分散型コミュニティを設計する
・結論:真のグローバルゼーションを実現するために

第七章 実践コミュニティのマイナス面

・単体のコミュニティ:起こりうる不調
・コミュニティの集合:起こりうる不調
・組織:起こりうる不調
・結論

第八章 価値創造の評価と管理

・ナレッジ・システム
・ナレッジ・システムを管理する
・結論

【コミュニティの評価・管理】

そもそもコミュニティを評価・管理すべきかどうかではなく、どのようにして評価・管理すべきかと云うことなのである。(以下略)

pp.268〜269.

第九章 コミュニティを核とした知識促進活動(ナレッジ・イニシァティブ) 

・コミュニティを核とした知識促進活動の設計原理
・促進活動を軌道に乗せる
・「コミュニティ開発」に関する社内実践を作り出す
・利害関係者のサポートと上層部のスポン
・サーシップを育む
・結論

第十章 世界の再構築

組織を超えたコミュニティ
・拡張型ナレッジ・システム
・市民社会

解説 野中郁次郎 pp.333〜343

注記
参考文献
索引

あらためて実践コミュニティとは

共通の専門スキルや、ある事業へのコミットメント(熱意や献身)によって非公式に結びついた人々の集まり。p.12

コミュニティ観

「官僚主義」の対語 p.13
たとえば、指揮命令系統によらない非定型で、組織の壁を自由に超えること。
自発的で、生き生きしている。
前列を覆すこと。

実践(プラクティス)

「プロセス」の対語 p.14
プロセス:あらかじめ計画可能な仕事のやり方
実践(プラクティス):人間の行う、プロセスとプロセスの間の仕事

状況判断の意思決定

頭で考えた「理論」ではなく、やってみて学んだ「体験値」を共有する。p.14

「二重編み」

知識の世話人である「コミュニティ」と、業務を遂行する「チーム」の一員であると云う「二重」の役割。
コミュニティ能力
ビジネス遂行能力 pp.51〜52.

さまざまなレベルの参加者

▶ コア・グループ
コミュニティの中心的存在。
▶ アクティブ・グループ
コア・グループほど熱心ではないが、時おり活動に参加する。
▶ 周辺グループ
コミュニティの大部分を占める。
実践コミュニティでは、重要な役割を担う。
将来的にアクティブ・グループに進む可能性を秘めている。

進化を前提としたチーム設計
pp.95〜97.

コミュニティの成熟

成熟したコミュニティにとって、主要な課題は「いかに持続させるか」と云うことである。
pp.162〜169.

コミュニティを構築する上で重要な「信頼と人間関係」

分散型コミュニティは、本質的に異なる人々の間に信頼の礎を築くべく、努力しなければならない。
pp.186〜187.

分散型コミュニティの設計

会議用ソフトを使い「バーチャル」な会議を行う。
「リアル」な会議を補完する
「リアル」な会議と「バーチャル」な会議を併用しながら「ローカルなコミュニティ」を相互に結びつけていく。
組織への深い帰属感を生み出すことにもなる。
pp.175〜206.

価値創造の評価と管理

問題は、コミュニティを評価・管理すべきかどうかではなく、どのように評価・管理すべきか。と云う事なのである。
pp.267〜269.

実践コミュニティの価値

究極的には、変容力のある組織を開発すること。逆説的に言えば、コミュニティが変革の中心的な主体者となっている。
pp.310〜313

「コミュニティ」とは

知識を共有するために、自発的に集まった集団。ネットワーク。

「人」が中心の概念
主体的意思と能力を持つ人で構成され、自律的に組織化された時空間。
pp.336〜337.

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コミュニティ・オブ・プラクティス
ナレッジ社会の新たな知識形態の実践
Yuki Omori @yuki0mori

追加して読んでみたい本

『コミュニティ・オーガナイジング』
ほしい未来をみんなで創る5つのステップ
鎌田華乃子 著
英治出版(2020.11.)

http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2293

2020.11.10.
2020.11.11. 加筆
2020.11.12. 加筆
2021.05.17. 加筆
2023.08.18. 一部加筆修正

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