『メガネと放蕩娘』を読む
作者の山内マリコさんは『ここは退屈迎えに来て』(2012/幻冬舎)で、デビュー。
故郷富山をモデルとした地方都市の閉塞感をテーマとした作品が多かったが、この作品『メガネと放蕩娘』は、地方都市の商店街の再生をテーマとした 故郷に好意的な作品といえます。
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寂れた商店街の地域興しに立ち上がったショーコとタカコの姉妹。
商店街に係る人達の心情を描きながら、その展開と姿勢に現状の再生のヒントが!?
第四章 2016年 商店街シェアハウス計画
必要なのは、補助金をつかったイベントによって一時的な、まやかしの賑わいを創出(演出)することではなく、恒常的に顧客が来る、客のニーズを掴んだ店づくり。
大規模小売店舗法:1974年()
昭和回帰的なノスタルジックで商店街を再生させようとするのは、大きな無理がある。
第五章 2017年(上半期) うちの店、貸します。
後継者探し
第六章 2017年(下半期) うちで店、やります !
マンスリーショップ POP UP SHOP
2017.10「フリーポケット」
家賃 20,000円 共益費 10,000円
第七章 2022年 再び、放蕩娘の帰還。
告知:LINEグループ
後に、再開発で商店街はピカピカのビルに建て替えられた。
地権者は、再開発マンションに。
どこからともなく、子供たちが集まる。
託児所:まちなかハウス
商店街だろうが、住宅街だろうが、マンションだろうが、そこに子供が居て楽しそうに遊んでいるのなら、別になんだっていいや。
子供達よ、ここでいっぱい思い出を作って、大きくなれ。
そして、自分達の “まち” を好きになって、大人になった時も、好きでいてね。
商店街と云う「場所」を活性化するのではなく、商店街に関わりの深い「人」の交流を活性化させる。
▶ そもそも変化を望んでいないという精神的スタンスこそが、もっと根深いなと思えます。
2021.07.12.