#18 嗅覚と脳〜香りと心のリラックス〜
人には、視・聴・嗅・味覚などの感覚があります。
その中でも、特異なのが「嗅覚」で、人の情動に直接アプローチできる
と言われています。
そして、その感覚の情報は脳へ送られます。
人の脳は横から輪切りにすると大きく3つに分かれます。
外側に理性・知性を司る新しい脳「大脳新皮質」
その内側に、本能を司る古い脳「大脳辺縁系」
一番中心に、無意識に生命の維持を司る「脳幹」があります。
この中でも人の情動に関わるのは「大脳辺縁系」です。
ここには、人の情動や記憶を司る「扁桃体」や「海馬」があります。
感覚器官の情報は体験から電気信号に変換され、その情報が脳に送られます。
嗅覚以外の感覚は、脳に情報が伝わるまでに様々なプロセスを経て情報を
発達した外側の脳(大脳皮質)で処理をした後、知覚し扁桃体(大脳辺縁系に
ある情動、快・不快を司る部位)などへ送られます。
しかし、嗅覚情報は直接的に大脳皮質を介さず扁桃体へ送られます。
この他にも、記憶に関わる海馬など大脳辺縁系つまり、本能を司る様々な部位へ
その情報が送られます。
そもそも感覚の役割とは、身体の外で起きた環境の変化を敏感にキャッチする
アンテナのような役割があります。
それは、動物にとっては生きるか死ぬかの重要な情報になります。
嗅覚による情報は人の本能によって快・不快を瞬時に判断させます。
つまり、不快とは自身にとっての有害なものであるのに対し、快とは安心や安全と
なります。
嗅覚の伝達回路についてはまだ解明されていない部分も多くありますが、
香りが心に与える影響はとても大きいものがあると考えらています。
嗅覚とは危険察知とともに、本来、安全で安心できる空間を把握するための
能力です。
人の心は理性でコントロールしようとしても時間がかかる場合もあります。
瞬間的に本能に訴えかけるアロマなども心をリラックスさせる方法として
使ってみるのもいいのではないでしょうか?
Li(y)s 心理カウンセラー 北原 正一郎
荒川区を中心に都内23区で活動中。