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#25 なまえは概念であり本質ではない〜グレーでよかったのかもしれない〜

物事を理解しようとした時に人は、モノや事象に対して

「なまえ」をつけ顕在化させます。

なまえがつくことで、今まで存在しなかった、または
曖昧だったものを概念として捉えようとします。

これは、「分からない」という不安に対して安心を得ようと
するためと言われます。

以前私は福祉の現場で働いていました。

そこでは「認知症」と診断された方々がたくさんいました。

「認知症」という病名自体は近年できた病名です。

人が老化やなんらかの原因によって著しく脳の記憶に関わる機能が
低下し、症状として現れる。

これを病気として認知されることで、様々な予防や改善に関する研究が
進み、この病気に対する対応方法が発見されています。

しかし、一方でこういった病名はその人の本質を見えづらくしてしまう
ことがあります。

今まで、「〇〇さん」として生きてきたその人が
「認知症の〇〇さん」という形で認知症という枠でカテゴライズされた時

多分、この病名ができる前までは、「少しボケてしまったおじいちゃん」
で、済んでいたものが、認知症という概念でカテゴライズされた時に
生活や行動に対して制限がかかってしまうことがあります。

福祉の現場では、QOL「クオリティー・オブ・ライフ」生活の質
という言葉をよく耳にします。

その人の生活の質を考えた時に、分からない、曖昧なままな方が本当は
幸せだったのではないか?
と考える場面が多々ありました。

もちろん認知症研究が進み救われた方がたくさんいることも事実であり
現場に携わっていた私自身も感じてきました。


日々、様々なご相談を受ける中でも、こういったなまえに捉われてしまって
いるお話も多々あります。

最近では、毒親、HSP、アダルトチルドレンなど・・・

これらは、その人を構成する部分に影響を与えたひとつかもしれませんが
その人の本質ではありません。

言葉やなまえを意識するあまり、それに依存してしまうこともあります。


合理性を求めた現代において、様々なものをよりスムーズに、わかりやすく
しようとするあまり、本当に意図していたものとズレてしまっているように
思うことも多々あります。

なまえをそのまま捉えるのでなく、その奥にある本質と向き合うことが
課題を解決するためには必要なのだと思います。


Li(y)s 心理カウンセラー 北原正一郎
荒川区東日暮里 東京23区 カウンセリング/メンタルトレーニング
HP
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